日蓮聖人の大型ブロンズ像、伊豆・清雲寺に設置へ 伊豆の国の彫刻家山田さんが制作
伊豆の国市田京の彫刻家山田収さん(75)は秋の完成を目指し、伊豆市土肥の日蓮宗清雲寺の本堂前に設置する日蓮聖人の大型ブロンズ像の制作に取り組んでいる。台座を含む高さは3・5メートルで、今夏、原型となる粘土の塑像が完成した。山田さんは「伊豆西海岸でも最大級のお堂を持つ清雲寺にふさわしい」と自信をのぞかせる。 山田さんはこれまで、伊豆の国市の蛭ケ島公園には、若い源頼朝と北条政子が寄り添う「蛭ケ島の夫婦(ふたり)」像、同市の本立寺には、合掌しながら題目を唱える日蓮聖人像を納めた。同市の世界遺産韮山反射炉近くの江川坦庵像も手がけた。 今回の日蓮聖人像は、清雲寺の佐治寿英住職(72)から数年前に依頼のあった大作で、つじ説法をしている「動きのある立像」にこだわった。一般的に合掌姿が多いが、右手に経巻を持ち、数珠を持った左手を胸に当て、左足で半歩前に出る様子を表した。いちずに信念を貫き通した日蓮聖人像を、眼力鋭いまなざしにし、体つきもどっしりと貫禄がある様に仕立てた。 塑像は現在千葉県の美術鋳造所に型取りのために運ばれており、今後ブロンズ像に仕上げる。山田さんは「大きくて立派なブロンズ像になる。広く親しんでほしい」と話した。佐治住職は「流罪になった当時の面影、顔立ちをほうふつとさせる」と述べた。 11月12日に同寺で開く開眼法要に間に合わせるよう設置する。
静岡新聞社