「男は浮気をするもの」という彼女の偏見に、彼氏は…〈『さよならプロポーズ』第3話〉
まだ「一歩」踏み出せないシュウヘイ×カホ
アオイ×モナカップルとは対照的に、ずっとフラットなテンションで観光を楽しむシュウヘイとカホ。ジェラートを2人ではんぶんこしたり、笑顔でランチを楽しんだりしていたものの、まだお互いの問題の核心には迫れていない。シュウヘイは「なんでも話し合える夫婦になりたい」と理想像を語ったが、今の時点の2人は、まだなんでも話し合える男女ではない。逆に、そのまま結婚生活に突入しなくてよかったのかもしれない。 シュウヘイとカホは育った環境も異なっているという。生活や結婚、家族に関する価値観が一致していない……というより、視聴者の目には一致しているのか、よく分からない。2人とも、いざ話し合いをするとなっても、たとえばアオイやモナと比べると遠回しになってしまう。本心がいまいち見えてこないのだ。 やっとのこと、シュウヘイが指摘したのはカホの「男性への偏見」についてだ。シュウヘイとのデートを楽しんでいるカホはとても明るい女性に見えたが、生活の中ではネガティブな思い込みを持ってしまうこともあるようだ。 話は「カホの浮気へのトラウマ」を軸に進んでいく。しかし、シュウヘイが話し合いたかったのはカホの思い込みが激しい部分についてにも見えたが……結局、結婚観からは論点がズレたまま場面が展開してしまい、MC陣からも心配の声が上がった。浮気に関して話し合い続けても、結婚への不安が解消される感じもしない。 カホにとって、浮気は大きなトラウマのようにも見えた。傷ついた経験を元に、受け身を取ろうとするのはある種自然なことだ。浮気に関してはシュウヘイも「自分はしないから安心してほしい」と寄り添ってもよかったのではないだろうか。 カホは「浮気に関する価値観」について話していると思っていて、シュウヘイは「浮気を始めとする男性への偏見」について話していると思っていたのかもしれない。傍から見ているとモヤモヤするのだが、2人はこうして、日常生活でもすれ違いを重ねてきたのだろう。 2人の話し合いの姿勢は常に冷静で口ぶりも穏やかなので、アオイ×モナカップルとはやっぱり対照的だ。シュウヘイとカホの方が、毎回の話し合いで消費するエネルギーは少ないかもしれない。だけど結婚すればお互いたった一人の、生涯のパートナーだ。結婚すれば、取り繕いようのないような問題も時に起きるだろう。傷つくことや疲れることを避けていては、話し合いは進まない。価値観もすれ違ったままだ。 ギリシャにやってきても、2人はまだ、一歩を踏み出せていない。環境を変えてみても、自分たちの行動を変えることができなければ、その本質は変わらない。 『さよならプロポーズvia ギリシャ』はABEMAで毎週木曜21時から無料放送中!#4は10月10日21時から。 (文・ミクニシオリ)
なぜ彼は「曖昧」であり続けるのか
心の距離が少し近づいたアオイ×モナと、逆に距離が開いてしまったシュウヘイ×カホ。しかし第四話の予告によれば、どうやらシュウヘイの「曖昧な口ぶり」には、まだ何か理由があるらしい。シュウヘイは自分の弱みをさらけ出し、カホとの仲を深めることはできるのか……?