定年退職後は、失業保険ってもらえるの?
会社勤めをする誰にも、やがて訪れる定年という一大事。退職金や年金について、知らないと大損する可能性も!? マネージャーナリストで弁護士の板倉京さんに教わります。
Q.定年退職後は、失業保険ってもらえるの?
A.再就職する意欲のある人はもらえる。最大で150日、最高支給額は約109万円。 「転職」ではなく「定年」という言葉は引退というイメージが強いので失業手当をもらえないと思っている人もいますが、再就職する意欲のある人なら失業手当はもらえます。離職票を持ってハローワークで所定の手続きをして失業認定がされれば支給されます。 1日の支給額の上限は現時点で45~60歳未満は8490円、60~64歳は7294円。給付日数は定年退職の場合は最大150日になります。60歳で定年退職した場合は最高で109万円程度もらえる計算です。 今の時代はみなさん長く働く時代。なかにはフリーランスで働く人もいるかと思います。仮に、正社員の仕事がなかなか決まらなくて、ちょっとしたアルバイトをするくらいなら失業保険はもらえるでしょう。 でも焦って個人事業主として開業届を出してしまうと、実際に仕事がなくてもフリーで仕事をしているとみなされ、失業保険がもらえなくなるので注意が必要です。 あまり焦らず最大150日は猶予期間だと思って、失業手当をもらいながらこの先の働き方を考えるという方法もありだと思います。
●雇用保険被保険者の求職者給付の種類
板倉 京 さん いたくら・みやこ マネージャーナリスト、税理士 ウーマン・タックス代表。大手会計事務所、財産コンサルティング会社勤務などを経て税理士事務所を開業。『定年前後のお金の正解』など著書多数。
イラストレーション・SANDER STUDIO 文・石飛カノ
『クロワッサン』1111号より
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