「退職金がない会社」に25年勤めています。今さらですが”転職”したほうがよいのでしょうか?
※中央労働委員会「令和3年賃金事情等総合調査(確報)『令和3年退職金、年金及び定年制事情調査』調査結果の概要」を基に筆者作成 退職金のある会社に転職した場合、この先10年務めた場合の退職金は200万~300万円程度、15年で400万~600万円程度です。 もちろんこれはあくまでモデル退職金額で、実際は会社ごとに異なりますが、定年までの年数ともらえる金額目安も考慮に入れて、25年間勤めた会社を辞めるだけの価値があるか検討できるでしょう。 現職では、退職金制度がない代わりに報酬や待遇面で優遇されている可能性もあるため、退職金だけでなく福利厚生や働きやすさなども含めて総合的に考えることが大切です。 ◆転職以外の対策も検討できる 退職金がないことで定年後の生活が心配だという方は、以下のような方法で年金額を増やす方法も検討できます。 ・年金を繰下げ受給する 日本年金機構によると、「老齢基礎(厚生)年金を65歳で受け取らずに66歳以降75歳までの間で繰り下げて受け取るようにすることができます。繰り下げた機関によって年金額が増額され、その増額率は一生変わりません。」とされています。 ・厚生年金に長く加入する 60歳を過ぎてからも、厚生年金の適用事業所で働いて厚生年金に加入することで、将来の年金受給額を増やせます。 ・iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する iDeCoは、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。任意で加入して、公的年金と組み合わせることで、老後生活に備えることができます。
退職金がない場合でも長く勤めた会社からの転職は慎重に!
退職金がないという理由だけで、25年のように長い間勤めた会社から転職する際は、慎重に考える必要があります。 転職先の会社で退職金制度があったとしても、勤続年数によっては期待しているほどの金額がもらえない可能性があります。また、現職は退職金制度がない代わりに、報酬やそのほかの待遇面で還元しているかもしれず、転職することが必ずしも最良の選択とは限りません。 働きやすさや報酬など、現職のメリットも含めて総合的に考え、年金額を増やすなど転職以外の対策も検討してみるといいでしょう。 出典 厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況(12.18ページ) 厚生労働省 中央労働委員会 令和3年賃金事情等総合調査(確報)〔賃金事情等総合調査〕「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」〔調査結果の概要〕(8ページ) 日本年金機構 年金の繰下げ受給 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部