脱プラに貢献、木製の三角コーン 木工作家「プラスチックの塊である三角コーンが気になった…」と製作
朝日村針尾に工房「レッドハウスファニチャー」を構える木工作家増田善計(よしかず)さん(56)=塩尻市塩尻町=が、村産のカラマツで折りたたみ式の屋内用三角コーンを製作、5月中に受注販売を始める。公共施設や景観に配慮したい場所での誘導に使ったり、看板にしたりと多くの場面での活用を想定。19日には村役場を訪れ、村のロゴマークを刻印した二つを村に寄贈した。村は、普段は役場内に展示し、イベントなどでも活用する予定だという。 【写真】木製の三角コーンを間近に
増田さんは以前から、「木工の技術を生かし、地元の木で脱プラスチックに貢献できないか」と考え続けてきたという。2021年には村産のカラマツで作った買い物籠「ウッドバスケット」が、優れた木製品に贈られる「ウッドデザイン賞」を受賞した。以降も「プラスチック製品で木製に代えられるものはないかな」と日々周囲を観察。プラスチックの塊である三角コーンが気になったことから製作したという。
三角コーンは、森林大国フィンランドの言葉で「三角形」を意味する「Kolmio(コルミオ)」と名付けた。厚さ約1センチの無垢(むく)のカラマツ材を使い、高さが60センチ、底辺が30センチほど。折りたたんで収納・持ち運びができ、使う時には先端近くを備え付けのゴムひもで留める。裏返して両面使えることも特長で、「オープン」「準備中」などと表裏にそれぞれ別の文字を刻印して使うこともできる。
増田さんは、「コルミオ」が長野県で生産量の多いカラマツの利用促進に貢献することを期待するとともに、「脱プラのためにも、全国各地の木で作られ、使われるようになればうれしい」と話す。1個1万5千円(税抜き)。問い合わせは同工房(メール redhouse.f.88@gmail.com)へ。