中井貴一&岡田将生の口喧嘩で大歓喜…『ザ・トラベルナース』が見せた”続編”の正解とは? 第1話考察
お馴染みの元寮メンバーも再登場!
もうひとつ心が躍ったのは、ファーストシーズンのメンバーを卒業させなかった点だ。続編となると、主人公が新天地に行って、おなじみのメンバーの出演がまったくなくなることもある。しかし、『ザ・トラベルナース』は違った。 もちろん、メンバーチェンジはあるものの、西千晶(浅田美代子)や土井たま子(池谷のぶえ)の他、ファーストシーズンで歩と寮生活をしていた森口福美(野呂佳代)、金谷吉子(安達祐実)、愛川塔子(寺島しのぶ)ら看護師メンバーが再登場。しかも、歩たちと再び共同生活をすることに! やはり、元寮メンバーのやりとりはなくてはならないもの、なくしてはならないものなので、この英断には感謝したい。たとえ、歩たちが新しい寮に入ったとしても、別キャストになったらニュアンスが変わってしまう。彼女たちがいい。
続編の正解を出してくれた『ザ・トラベルナース』
ドラマや映画の続編は、得てして新しい風を入れて差別化をしようとするが、時折、そちらの方に力を入れてしまったばかりに、本来の良さが薄まる場合がある。それが狙いかどうかは別として、続編を楽しみにしている身としては、少し残念な気持ちになるのも事実。 しかし、このドラマは新しい要素を加えつつも、『ザ・トラベルナース』本来の良さを色濃く残し、進化を遂げているように感じた。 脚本を手掛けるのはドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズ(テレビ朝日系)や、映画化もされた『七人の秘書』(同局)など、続編ものも多く書いている中園ミホ。彼女の嗅覚なのか、とにもかくにも、ファンから絶賛の声が多数挙がっているのを見る限り、「続編の正解」を出してくれたように感じる。 第1話では、新しい舞台「西東京総合病院」で歩と静が働くことに。そして、最大の敵が「正しい医療、正しい働き方」を掲げ、組織変革に着手する院長・薬師丸卓(山崎育三郎)であることが分かった。2人は、彼とどう戦っていくのか。その第一歩となる第2話の放送を待ちたい。 【著者プロフィール:浜瀬将樹】 1984年生まれ。フリーランスの編集・ライター。映画、ドラマ、バラエティー番組の会見取材、俳優さんや芸人さんなどのインタビュー、ドラマや俳優さんのコラム、お笑いのライブレポートなど、エンタメ系を中心に執筆している。
浜瀬将樹