タイトル防衛し、一夜明け会見に臨む中谷潤人＝文京区（撮影・高橋朋彦）

2日間にわたる国内史上最大級のプロボクシング興行「Prime　Video　Boxing10」（13、14日、東京・有明アリーナ）の8大タイトル戦で勝利した日本選手の会見が15日、東京ドームホテルで行われた。 14日に2度目の防衛に成功したWBC世界バンタム級王者の中谷潤人（26）＝M・T＝は、試合後に一睡もできずに登場。同級1位のペッチ・ソー・チットパッタナ（30）＝タイ＝に6回TKO勝ちした試合内容には「サウスポーに対して練習してきたことがしっかり出た試合だった」と満足した様子だった。 次戦は来年2月に3度目の防衛戦が有力。13日にWBA王者だった井上拓真（28）＝大橋＝が3度目の防衛を果たしていれば、統一戦を行う計画だったが、拓真が同級2位だった堤聖也（28）＝角海老宝石＝に判定負けしたため、計画の変更を余儀なくされた。 中谷をプロモートしている帝拳ジムの本田明彦会長（77）は「潤人（の対戦相手）がどうなるかが一番問題。いつも言ってるけど、今回もそうだけど、もう全員に断られている。だから相手選びは難しい」と強すぎで挑戦者探しに悩まされていると話した。日本開催での挑戦者が見つからなかった場合は、米国開催の可能性もあるという。 中谷は今後について「やっぱり前から言っている統一戦っていうのはもちろん目標にしています」。本田会長も4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥（31）＝大橋＝とのスーパーマッチを念頭に「バンタムで相手がいなくなったっていうのを証明してからじゃないと価値がない」とバンタム級での統一戦を優先する意向を示し、「来年の後半」をスーパーバンタム級での井上尚弥vs中谷潤人の実現のリミットだとした。 興行は動画配信サービスのアマゾンプライムビデオで独占生配信された。プロ戦績は中谷が29戦29勝（22KO）、ペッチが78戦76勝（53KO）2敗。（尾﨑陽介）