第93回選抜高校野球 中京歓喜、春の便り 「日本一へ」闘志燃やす /愛知
待ち望んだ甲子園への切符。今度こそ日本一を目指す――。29日、3月19日開幕する第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)のオンラインでの選考委員会で出場が決まった中京大中京。2020年春、出場目前で新型コロナウイルスによる大会中止に見舞われた同校の選手たちは、願い続けた吉報に目を輝かせた。選出は2年連続の快挙で、同校は春夏通算では全国最多の11回の優勝を誇る。組み合わせ抽選会は2月23日。【ガン・クリスティーナ】 午後3時55分ごろ、名古屋市昭和区の校長室で、伊藤正男校長(63)の前に置かれた電話が鳴った。「謹んでお受け致します」と大会選考委員会からのセンバツ出場決定の連絡に力強く答えた。待機していた高橋源一郎監督(41)や今村陽一部長(40)と、3人で静かに腕でハイタッチして喜び合った。 その後、伊藤校長は雪が降り注ぐ野球部のグラウンドに移動し、ユニホーム姿で集まった部員を前に「去年の悔しさを晴らすためにも、先輩たちのためにも頑張ってください」と報告。間を取ってマスク姿で並ぶ選手たちは「ありがとうございました」と一礼した。 新型コロナ感染防止対策の一環で、別室で監督や主将らのみが取材に応じた。原尚輝主将(2年)は「コロナの影響で苦しい1年だった。小さい時から夢見ていた舞台でプレーできることにすごくありがたみを感じる」と話し、「先輩たちからも託されていると思うので、チーム一丸となって優勝を達成したい」と闘志を燃やした。 最速151キロの直球が持ち味のエース、畔柳亨丞(くろやなぎきょうすけ)投手(同)は東海大会以降、股関節や肩甲骨の柔軟性を高めるための訓練に力を入れている。「どんなにボールが速くても勝てないと意味がない」といい、「チームが勝てるように要点を押さえるべきところは押さえたい。(選抜で)日本一になることが先輩への恩返しになる」と決意を新たにした。高橋監督は「2年生も我慢して、経験を積んできた。いろいろな思いを背負って(甲子園に)出ることになるので、今までとは違った形になる」と振り返り、「投球面や打力を強化してきたが、さらにレベルアップを目指す」と語った。