岸田総理「派閥解消」の次の一手は「6月の会期末解散」である理由
「しがみついている人」に見えてしまう麻生氏
飯田)自民党内では、「その岸田総理が解散を言い出してしまった」と受け止められているのでしょうか? 吉崎)麻生さんのように「うちは誰もやられていないのだから、うちが解散する理由はない」などと言っても、むなしく響きますよね。 飯田)総理が解散と言っているし、「しがみついている人」のようなイメージになってしまう。しかも、あまり根回しせずに行ったという話ですよね。 吉崎)そのようですね。
安倍派幹部に離党論が浮上 ~世論の批判は根強い
飯田)きょう(25日)の新聞報道を見ると、発端は安倍派だということで、「安倍派の幹部たちにも責任を取らせようではないか」というような話が出ており、焦土作戦のようになってきていますね。 吉崎)個々の議員たちも、「俺の次の選挙のために安倍派幹部5人が腹を切ってくれればいいのに」という思いはあるのではないでしょうか。 飯田)「どいつもこいつもしがみつきやがって、誰も責任を取らないではないか!」と。 吉崎)みんな不起訴ではないですか。「そんなはずはないだろう」という感じもあるでしょうね。 飯田)世論的な受け止め方はそうなっています。 吉崎)悪かったのは会長で、「細田さんも安倍さんも亡くなっているから」という方向になっています。 飯田)亡くなった人に(責任を負わせる)というのは、道義的にも「ん?」となるところもある。そうすると、このような話も出てきますよね。
岸田総理は6月の「国会会期末解散」を諦めてはいない
飯田)でも、岸田さんの総裁任期は9月までではないですか。派閥がなくなり、いままで推してくれていた麻生氏や茂木氏からもよく見られていない状況で、どうするつもりなのでしょうか? 吉崎)私は6月の会期末解散を諦めていないと思います。6月上旬には1人4万円の減税もあるし、4月には訪米もする予定です。 飯田)国賓待遇で訪米予定です。 吉崎)また、4月はもしかするとマイナス金利を解除して、5月に「デフレ完全脱却宣言」をするのではないかと思っています。去年(2023年)通った補正予算は「デフレ完全脱却のための総合経済対策」という名前なのです。つまり、「デフレ完全脱却宣言」をしたいのですよ。 飯田)既にその布石は打ってある。 吉崎)日銀も政府がそう言ってくれると、自分たちの判断が間違っていないことになります。おそらく今年の4~5月にまとまってくるから、解散のきっかけになるのではないでしょうか。