ニャンニャンニャン! 福岡県宮若市で「猫のひなめぐり」はじまる
まちなかで目につくのは、県道沿いにある高さ3.6メートルの巨大モニュメント。ようこそ、追い出し猫の街へ――と迎えてくれているように見える。交差点の向かいには、県の屋外広告景観賞も受賞した福丸バス停交流スペースがある。
商店街入り口にある横町展示スペースには、地元の幼児たちが紙で作ったひな人形が飾られていた。商店街の中ほどにある追い出し猫本舗では、猫をデザインしたキーホルダーやタオル、せんべいなど約30種類を販売している。 店内の小さな「猫神社」にはこの時期、受験の合格祈願に訪れる“参拝者“の姿も。ここでは、陶器で作った猫の置物に色ペンで絵付けする体験もできる。近年は中国や韓国、東南アジアから訪れる観光客にも好評だという。
楽しくまちを散策
近くにある薬局の窓には、様々な猫の写真が飾られていた。猫が好きな店主が「かわいかったので思わず」、猫のカレンダーを切り取って並べたのだと教えてくれた。 日吉神社の鳥居の足元には、追い出し猫がまるで守り神のように鎮座している。ぶらぶらと歩くうち、目の前に次々と現れるオブジェの数々。思いもかけない拾い物を見つけたようで、なんだか得した気分になった。
商店街を出て、福岡ひびき信用金庫の若宮支店に向かうと、鮮やかに着飾った大きな猫の内裏びなが下校途中の児童を見守っていた。
主会場のハートフルに足を運ぶ。遠目では、見慣れたひな壇が置かれているように見えたが、近くに寄ると、それぞれ個性的な猫たちが並んでいた。 近くに住む中学2年の女子生徒は「無愛想な表情のひな人形があって、家で飼っている猫にそっくりなので面白かった」と喜んでいた。
かわいらしく着飾った猫のひな人形が並ぶイベント――。「散策にちょうどいい」と、猫好きな女性や家族連れを中心にまち歩きを楽しむ姿が多く見られるそうだ。
読売新聞