着想源はマフィアの妻! 2024最新トレンド【モブワイフ(Mob Wife)】が支持される理由
TikTokクリエイターのケイラ・トリビエリは、 “クリーンガール”は終了、これからは【モブワイフ】が来ると宣言し、このトレンドの火付け役となった。彼女は動画の中で「カーメラ・ソプラノのおかげ」と語った。確かに、ドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」シリーズが25周年を迎えた今、そのシリーズ全体と女性キャラクター、彼女たちのスタイルが再発見されている。しかし、この美学は単なるドラマ以上のものを感じさせ、むしろこれまでのすべてを完全に否定するような強さがある。モブワイフ・スタイルとは一言で言えば過剰さで、全身を覆うファーや容赦なく大きな髪、無彩色扱いのアニマル柄、すっぴんとは正反対の濃いメイクなどが特徴だ。
“クリーンガール”は終了、これからは【モブワイフ】が来る!
“クワイエット・ラグジュアリー(静かなぜいたく)”という言葉はモブワイフの辞書にはないが、ぜいたくさは持ち併せている点も忘れてはいけない。彼女のラグジュアリーは決して静かではないのだ。シャロン・ストーンが演じる『カジノ』(1995)のジンジャーを見て欲しい。彼女は「プッチ」のラウンジパジャマや「クレージュ」のセットアップを豊富なジュエリーで引き立てている。あるいは、大きなサングラスにシルクのスリップドレスを着たミシェル・ファイファー演じる『スカーフェイス』(1983)のエルヴィラ・ハンコック。『ハウス・オブ・グッチ』(2021)では、レディー・ガガが(もちろんだが)「グッチ」をまとって策略をめぐらし、一方『アメリカン・ハッスル』(2013)ではジェニファー・ローレンスのキャラクターが髪を高く盛り、タイトな「ホルストン」風ドレスを着ている。
あまり知られていないところではウォシャウスキー姉妹のレズビアン・クライムサスペンス『バウンド』(1996)で、ジェニファー・ティリーが演じたギャングの恋人ヴァイオレットも印象的。赤レンガ色の唇や体のラインが見えるセクシーなドレス、「シャネル」のヴァンプ色のマニキュアが、まるで画面から飛び出してくるかのようだ。