ゴキブリ、家電を破壊…紙やビニールも食べる 家庭に広がっているのは2種、薬剤が効きにくくなる理由 アース製薬の薬剤師が解説 1回の交尾で一生産卵可、さらに
食中毒予防のための知識や理解を深めようと「食の安全フォーラム」が、浦和コミュニティセンター(埼玉県さいたま市浦和区)で開かれた。さいたま市と包括連携協定を締結しているアース製薬の管理薬剤師大古久美子さんが、食中毒菌を媒介するゴキブリやネズミなど衛生害虫の対策について話した。 男性死亡…ハチに刺される 長袖長ズボンで同僚らと作業中、刺され意識不明…搬送先で翌日に息を引き取る
大古さんは、一般家庭でよく見られるクロゴキブリとチャバネゴキブリの2種の生態を説明。クロゴキブリは約2年、チャバネゴキブリは約1年生きる。チャバネはライフサイクルが短いため進化し、薬剤が効きにくくなっている。 ゴキブリは1・2ミリ程度の筒状や棒状の卵鞘(らんしょう)で産卵。1つの卵鞘には22~26個の卵が入っており、しかも1回の交尾で一生産卵することができるという。「1匹のクロゴキブリの雌は一生で約500匹の子供を産み、さらにその子たちが産み続ける。しっかりと駆除していくことが重要」と大古さん。 ゴキブリは見た目の気持ち悪さだけでなく、紙やビニールなどを食べたり、電化製品に卵を産み落として故障させたり、病原体を運搬したりと害を及ぼすことも指摘。対策としては(1)食品や汚れた食器を放置しないですぐに片付ける(2)物陰を好むので、家具の隙間などをきれいに掃除する(3)シンクや洗面所、お風呂場の水滴をしっかりふき取る(4)不衛生なものはすぐに処分する―などを挙げた。
侵入箇所を防ぐため、エアコンのドレーンホースには水切りネットを付けたり、排水溝や植木鉢の下の隙間をふさいだり、網戸の穴の修復をするといった具体策も伝授。その上で虫ケア用品や駆除剤を上手に使うことも有効とし、ワンプッシュ式スプレーやくん煙剤、捕獲用品などの使い方を紹介した。同じようにネズミについても解説した。 大宮区の女性(40)は「この時期の食中毒が心配で参加した。予防が大事だと痛感した」と話した。緑区の70代女性は「今日の話、全部が有効だった。詳しく聞けて良かった」と喜んでいた。