【佐藤久実がインタビュー】ランボルギーニらしさがつまったワンメイクレース、その成功の理由とは
最高のマシンと最上のホスピタリティ
8月17日、灼熱の富士スピードウェイで『ランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジア』が開催された。 【写真】富士スピードウェイで開催されたランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアの様子はこちら (39枚) このレースは、ヨーロッパ、北米、そしてアジアで各シリーズ戦が開催される、世界最高峰のワンメイクレースのひとつ。 アジアのチャンピオンシップは2012年に始まり、これまでに30ヵ国以上のドライバーがこのシリーズに参戦しているという。 2024年は、マレーシア、オーストラリア、韓国、日本、中国を転戦し、11月にスペインのヘレスサーキットで開催される世界チャンピオン決定戦『ワールドファイナル』で幕を閉じる。 使用車両はワンメイク用に専用開発されたウラカン・スーパートロフェオEVO2で、タイヤもハンコックのスリックによるワンメイクとなっている。 ドライバーは車両に対して1名もしくは2名で、50分×2レースで行われる。 レース当日は、ピット上に設けられたVIPホスピタリティラウンジから観戦した。 ここはレース関係者とその家族やゲストのみが使えるスペースで、朝から夕方までイタリア人シェフによるビュッフェが提供される。パスタは注文する都度シェフがソースと和えて温かい状態で提供。 その他にもシリーズパートナーのブースが設けられ、1日を快適に過ごすことができる。コース上の熱いバトルを応援するファミリーの姿も多く見られた。
女性ドライバーの活躍にも期待
このレースに合わせ日本に来日した、アジア太平洋地域CEOのフランチェスコ・スカルダオーニ氏にインタビューの機会を得た。 そもそもこのワンメイクレースは、オーナーのライフスタイルの一環として始まったという。ラウンジが用意されるのもその表れのひとつ。情熱的なオーナーは安全な環境でランボルギーニを走らせたい、ということで、このステージとマシンが用意された。 ABSやトラクションコントロールなど電動化されたマシンは、GT3カテゴリーに近いスピードでスリルを味わえ、アドレナリンの分泌を体感できる。 当初はジェントルマンドライバーを想定したレースだったが、やがて彼らはよりスキルアップを図りたいと、プロドライバーをコーチとして雇うようになる。そして、プロと組んでレースに出るようになった。 一方、ジュニアドライバーにとっては、GT3に近いパワフルで速いワンメイクマシンでのレースは、ステップアップのステージとして魅力的なカテゴリーでもある。 また、新たに参戦したジェントルマンドライバーが市販車のカスタマーとなる、という逆パターンも見られるようになり、このレースはマーケティング的にも成功を収めているといえる。 今回、小山美姫氏と、もう1名タイ人女性ドライバーのNattanid "Kat" Leewattanavalagul氏が参戦していた。 ランボルギーニは普段から女性向けイベントを様々開催しているが、レースステージにおける女性ドライバーの参戦についてスカルダオーニ氏に伺ったところ、多様性の時代であり、彼女たちが男性同様ドライブできることを証明しており、今後も女性ドライバーを支援していきたいとのことだった。 レースシーンでステップアップに苦労してきた身としては、とても頼もしく、そして嬉しく思った。