【プロファイリング座談会】水原一平はなぜ「ヨギ・ベラ」カードを買ったのか?
■イッペイのお宝は売りに出されるか? KKM 問題は、昨年のWBC決勝戦の最終回、トラウト対大谷のシーンのカード。サインなしは僕も持っているけど、これに大谷とトラウトがサインをし、シリアルを入れ、鑑定に出したカードが世界に3枚だけ存在する。 テッシー SNSで3人がカードを持って一緒に写真を撮っていた(*18)から、普通に考えればそれぞれ1枚ずつ持って帰ったはず。イッペイのカードが果たして売りに出されるのか。幻のお宝の行方をみんな血眼で探しますよ。 ネット界隈では、もし発見されたら20億円の値段がつくんじゃないかとウワサされています。 (*18)大谷は事件発覚後にインスタ投稿を削除。シリアルナンバーは「1/3」から「3/3」 店主 だとしたら、大谷の口座から盗んだ金額の大半を返済できるお宝を自分で持っていたことになる。皮肉でしかないよね。 KKM シリアルナンバーもSNSの写真から読めるので、誰が手放したかもわかる。本当に注目ですね。 ――ちなみに、過去の最高額はいくらでしょう? 教授 2022年に1260万ドル(現レートで約19億円)で落札されたミッキー・マントル(*19)のルーキーカードが、あらゆるスポーツ関連グッズの中で最高値がついたものです。 ウー その前の最高落札額はホーナス・ワグナー(*20)の約7億3000万円。これはたばこのおまけのカードで、非喫煙者のワグナーが販売を拒否したので流通量がものすごく少ないんです。 テッシー ちなみに、サインカードなんてない古い時代の偉人のものでも、当時の小切手とか公式文書に本人が書き入れたサインを切り抜いてカード化しちゃったりします。日本人は織田信長の書状にある花押を切り抜くなんてことはしないけど、アメリカ人はなんでも平気で切っちゃう。 店主 ナポレオン、アインシュタイン、エジソン......。ジミヘン(*21)とかもあります。 (*19)1950年代から60年代のヤンキースの顔。背番号7は永久欠番に (*20)1900年代にパイレーツで大活躍した〝フライング・ダッチマン〟。首位打者8回 (*21)ジミ・ヘンドリクス。27歳で早逝した天才ギタリスト ――最後に、イッペイさんに伝えたいことは? テッシー 今回のことですべてのベースボールカードを手放すことになるんだろうけど、本当にベースボールを愛しているなら、これからも続けてほしいですよ。 KKM カードマニアは、途中で離れる時期が必ずと言っていいほどあります。だけど戻ってくるんです。
店主 僕もそういう人をいっぱい見てきました。結婚など人生の岐路でやめても、必ず戻ってくる。カードコレクターとはそういうものです。 教授 完全にやめることは不可能だと思いますよ。一度目覚めてしまった好奇心、得てしまった野球知識を捨てることはできませんから。 テッシー いつの日か許されてシャバに帰ってくるのなら、ベースボールカードについてゆっくりと話を聞いてみたい。 店主 東京ドームでライブでもやれば、カードマニアは聴きに行きますよ。借金を返す足しにもなるんじゃないかな。僕たちは待っていますよ。 取材・文/村瀬秀信 撮影/五十嵐和博