エンバペ、EURO2024初戦を前に仏総選挙について語る「極右は分断を引き起こす。若い人たちはぜひ投票を」「選挙は明日の試合より大切だ」
フランス代表FWキリアン・エンバペが、EURO2024初戦を前に同国の解散総選挙について語った。 今月の6日~9日に行われた欧州議会選挙で、フランスでは極右政党の国民連合がエマニュエル・マクロンン大統領の与党連合に圧勝。この結果を受けてマクロン大統領は、フランスの議会下院にあたる国民議会を解散して選挙を行うことを発表した。極右の躍進を食い止めるために機先を制した格好だが、国民連合が優位という声もあり「あまりに危険な賭け」とも指摘されている。 来たる6月30日、7月7日の投票日に向けてまさに激動のフランスだが、エンバペも自身の意見を述べている。 今夏レアル・マドリーに加入するFWは、17日に行われるオーストリア戦の前日会見で、極右の勝利を許してはならないと説いた。 「僕たちの国は現在、岐路に立っていると思う。僕たちはフランス国民であり、政治に無関心であってはいけないんだ」 「これは前代未聞の状況であり、だからこそ人々に、とりわけ若い人たちに向けて語りかけたいと思う。僕たちは今、過激主義の政党が権力の扉の前までやって来た様子を目にしている。だからこそ、若い人たちには投票を頼みたいんだ。僕たちはこの国の価値観とアイデンティティーをともにしなくてはいけない。皆には、どうぞ良い選択をしてほしい」 「僕が極右政党に投票しないよう訴えている? 僕は過激主義に反対している。それは分断を生んでしまうからだ。若い人たちの中には投票をしない人たちもいるし、そんな彼らにこのメッセージを届けたい。彼らの声は物事を変えていけるんだよ」 「僕は自分の価値観を体現するこの国を守ることで、誇らしくありたい。これは明日の試合よりも大切なことだ。一国の状況を左右するんだからね。僕は多様性、寛容性、リスペクトの価値を信じている」 エンバペはその一方で、レアル・マドリーの意向を汲んでパリ五輪には参加しないことも明らかにしている。 「五輪について、僕のクラブの方針は明らかであり、自分が大会には参加しないということで理解している。クラブの姿勢は分かっているよ。それでも、“僕たち”が五輪で優勝することを期待しているけどね」