都の転入超過、23年は80%増 6万8千人、人口流出40道府県
総務省が30日公表した2023年の人口移動報告によると、東京都は転入者が転出者を上回る「転入超過」が6万8285人だった。前年の3万8023人から80%増え、新型コロナウイルス感染拡大前の19年(8万2982人)に近づいた。20、21年は超過数が減少していたが、東京一極集中が再び加速した。40道府県では人口が流出する「転出超過」だった。 日本より深刻 韓国の首都圏一極集中「地方消滅」に現実味 独自の取り組みも
総務省担当者は「コロナ禍が明け経済活動が活発化したほか、就職や進学に伴う若年層の東京への移動が増えた」と分析した。地方では人口流出により、医療・介護や公共交通など、さまざまな分野で人手不足が深刻化しており、抜本的な対策強化が欠かせない。 集計によると、23年に東京都に転入した人は45万4133人で、前年比約1万4千人増えた。逆に転出は38万5848人で、1万6千人近く減った。 東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)も転入超過が27%増の12万6515人。政府は人数を年度ベースに換算し、27年度に転入超過を解消する目標を掲げるが、難航は必至だ。