AIカメラで試合配信 スポーツセンターに試験導入、和歌山県上富田町
和歌山県上富田町は、NTT西日本和歌山支店やNTTSportict(スポルティクト、本社・大阪市)と連携し、同町朝来の上富田スポーツセンターに、自動撮影や編集機能を備えたAI(人工知能)カメラを設置し、コミュニティーサイトで試合映像を見たり、コメント入力で応援したりできる取り組みの試験的な導入を始めた。 【安心の地域つくりたい かみとんだ防災プロジェクト、和歌山の記事はこちら】 町は「スポーツのまち上富田」を掲げてまちづくりを進めている。NTTSportictはスポーツDX(デジタル変革)による新たな地域コミュニティーを生み出すためのまちづくり「マチスポ」に取り組み、NTT西日本と連携し、自治体に提案している。 試験を前に3者は7月、連携協定を結んだ。取り組みによってスポーツ大会や試合、合宿などの発信力の強化、生涯スポーツ振興による地域活性化につなげる狙いがあり、試験期間は半年程度を予定している。 AIカメラは、複数のカメラレンズでコート全体のパノラマ撮影ができ、人の動きやボールの位置、スポーツごとのルールを理解したAIが自動で映像を編集する。多目的グラウンドAコート(人工芝)と、野球場に設置している。 コミュニティーサイト「マチスポ上富田町ポータル(https://web.spo.live/group/xf8heozubw)」では、閲覧者がAIカメラで撮影された試合や練習風景の映像を見たり、コメントを入力してチームや競技者を応援したりできる。 撮影した映像は、ポータル内に記録されるため、競技者は試合や練習の映像を振り返って見ることで、競技力向上につなげることができるとしている。 スポーツ活動などの案内も発信し、町や利用チーム、地域住民をつなぐ地域交流の場として運営する考え。NTTSportictの担当者は「スポーツDXを通じ、町と一緒に地域活性化に貢献できれば」と語る。 スポーツセンターの指定管理者である「南紀ウエルネスツーリズム協議会」のゼネラルマネジャー、嶝和晃さん(42)は「合宿チームに映像を提供して、現地に来られない保護者にも見てもらえるなど、好評を得ている。この取り組みによって、さらなる合宿誘致や和歌山に関心を持ってもらう一つのきっかけになると思う。本格導入に向けて検討していきたい」と話す。
紀伊民報