企業の7割で「原材料価格」、「人件費」などコスト上昇 人件費増加分は「転嫁できていない」がほぼ半数
Q2.Q1で「コストが上昇している」と回答された方に伺います。増加したコストの内容についてすべてお答えください。(複数回答)
◇「労務費(人件費)の増加」が7割 前年1月より今年1月の本業に係るコストが上昇した企業のうち、2,103社から回答を得た。 最多は「原材料や燃料費、電気代の高騰」の91.2%(1,920社)だった。コストアップに直面した企業のうち、9割以上は原材料やエネルギーコストの上昇に言及している。 「労務費(人件費)の増加」も71.0%(1,494社)と、7割を占めた。 また、コストアップの要因や背景が複合化するなか、増加したコストの内容を2つ以上回答した企業は74.0%(1,557社)にのぼった。 規模別では、「原材料や燃料費、電気代の高騰」が大企業の89.9%(149社中、134社)に対し、中小企業は91.4%(1,954社中、1,786社)、「労務費の増加」が大企業の70.4%(105社)に対し、中小企業は71.0%(1,389社)で、ほとんど同水準だった。規模にかかわらず、原材料や人件費の上昇が企業活動に影響を及ぼしている。 「その他」では、「オフィス家賃」(電気業、資本金1億円未満)、「税金や社会保険料」(農業、資本金1億円未満)など。
産業別 10産業中、6産業で「原材料や燃料費、電気代の高騰」が9割超え
産業別では、「原材料や燃料費、電気代の高騰」が10産業中、9産業で最多だった。うち、農・林・漁・鉱業100.0%(17社中、17社)、金融・保険業100.0%(9社中、9社)、運輸業96.9%(65社中、63社)、製造業96.1%(656社中、631社)、建設業95.9%(321社中、308社)、卸売業92.3%(472社中、436社)の6産業では9割を超えた。 情報通信業は、唯一「労務費の増加」が76.5%(98社中、75社)で最多だった。DX人材のニーズが高まるなか、外注費の上昇も反映しているとみられる。
Q3.Q2で「原材料や燃料費、電気代の高騰」と回答された方に伺います。原材料や燃料費、電気代の高騰に伴うコスト上昇のうち、何%を価格転嫁できていますか?
◇「全額転嫁」は3.6%にとどまる 「転嫁できていない」は37.9%(1,704社中、646社)と約4割を占めた。また、転嫁率「50%未満」が35.5%(605社)で、コスト上昇分の半額以下の転嫁率にとどまる企業が全体の73.4%(1,251社)にのぼった。 「全額転嫁」はわずか3.6%(63社)。 規模別では、「転嫁できていない」が大企業44.7%(114社中、51社)に対し、中小企業は37.4%(1,590社中、595社)で7.3ポイント上回った。中央値は全企業と中小企業が30%、大企業は20%。 産業別では、価格転嫁率が「5割未満」にとどまる企業の割合は、運輸業の89.2%(56社中、50社)がワースト。