【インドネシア】NEC、適応ファイナンスの普及に向け協業
NECは30日、インドネシア法人NECインドネシアが同国の不動産開発大手シナールマス・ランドのIT子会社サマクタ・ミトラと、気候変動の影響を低減する適応策の実施に必要な資金の調達手法「適応ファイナンス」の普及に向けた戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したと発表した。 両社は、洪水や地震、熱帯低気圧といった自然災害のリスク調査と防災対策の適応価値を可視化するソリューションを検討する。民間企業における適応策導入時の金融ニーズに対し、保険会社や銀行、投資会社がより効果的な金融商品の提供を行う適応ファイナンスのユースケースづくりを推進する。 覚書は15日に、NECインドネシアの山本譲司社長とサマクタ・ミトラのイルファン・ヤスニ最高経営責任者(CEO)が締結した。山本社長は声明で、NECの提供するテクノロジーとソリューションは、適応ファイナンスのソリューション開発のさまざまな分野に活用できると指摘。今後はサマクタ・ミトラとの提携により、インドネシアの気候変動の影響低減に貢献していくことを期待していると述べた。 NECは今年3月、三井住友海上火災保険とともに適応ファイナンス市場拡大のけん引を目的としたコンソーシアムを設立している。山本氏は、今回のサマクタ・ミトラとの協業がインドネシアの金融サービス業界、特に深刻化する気候変動問題への対応に好影響をもたらす可能性があると期待を示した。