「全滅必至…」残酷非道な『ドラクエ』ボスキャラたち「敵討ちに燃えた難関バトル」
■実験台にされた女性たち…敵討ちに燃えた『ドラクエ4』の「バルザック」
『ドラクエ4』の第四章は、“モンバーバラの姉妹”であるマーニャとミネアが主役だ。錬金術師である父・エドガンを弟子の「バルザック」に殺されてしまったため、姉妹は父の敵を討とうと旅をしていた。 このバルザックはとんでもなく悪いヤツだった。エドガンが偶然見つけた“進化の秘法”を手にするため彼を殺害。その後はキングレオ城を支配して王様になりすまし、“進化の秘法”の実験台として女性たちを犠牲にしていた。 もとは人間だったが、“進化の秘法”を悪用しモンスター化したバルザックはかなり手強いボスだった。“ギラ”と“ひのたま”を使ってくるし攻撃力も高い。一番厄介だったのは、“ベホマ”で体力を回復してくることだろう。 1ターンで倒せる相手ではないので“ベホマ”を使われたら勝ち目はない。この戦いで必須なのが、コーミズ西の洞窟で手に入る「せいじゃくのたま」だ。これは“マホトーン”と同様、相手の呪文を封じてくれる。 当時筆者は「せいじゃくのたま」をどのタイミングで使うのかがよく分かっておらず、そもそもバルザック戦で使うことを頭に入れていなかった。ただ、前作『ドラクエ3』のゾーマ戦で「ひかりのたま」で大魔王ゾーマの闇の衣(バリアー)を解除していたのを覚えていたため、バトル中に思いつき使うことができた。 呪文を封じれば勝利は近いものの、油断すると攻撃力の高さにやられてしまう。まあ順当にHPを回復していけば、なんとか勝利できたものだった。 とはいえ、驚いたのはこのあとの完全敗北必至のキングレオ戦だ。負けイベントだけに仕方ないのだが、敵討ちを終えたのにまさかやられてしまうって……しかもバルザックは生き残っているし……。
■人を石化する特殊能力…さまざまな人の人生を狂わせた『ドラクエ7』の「あめふらし」
『ドラクエ7』には人を石化させる特殊能力を持つ「あめふらし」が登場する。コイツは過去にダイアラックとグリンフレークの町に“灰色の雨”を降らせ、人々を石化させていた。 最初に訪れるダイアラックの町は、年月が経過し廃墟と化していた。だが、ここでは石化し、ボロボロに風化した人たちの記憶を垣間見ることができる。かなりつらいイベントだった。 石化した人たちを元に戻せるのが、クレマンという老人の持つ「天使の涙」というアイテムだ。しかし、風化が進んだこの町の人たちは、もう手遅れで助けられない。そしてここで「天使の涙」をクレマンから託されるのだ。これがのちに訪れるグリンフレークの町で効果を発揮し、石化の解除が可能となる。 この悲劇をもたらしたあめふらしは、グリンフレークにある建物の屋上におり、一見弱そうなモンスターにも見える。こんなヤツに人生を奪われた罪のない人たちがかわいそうで、なんとしても倒したいと思ったもの。ダイアラックでは小さな子どもまで犠牲になっていたので、本当に切なかった。 さて、このあめふらしは見た目以上に強敵で、2回行動で攻撃と“ベホイミ”や“なめまわし”などを仕掛けてくる。行動を封じられると厄介で、レベルが低いと長期戦になり、HPやMPがなくなってしまうから要注意だ。 ただまああめふらしは戦闘シーンよりも石化のイメージが強烈だった。廃墟となったダイアラックはもちろんのこと、グリンフレークの町でも庭師のペペが恋仲であるリンダを灰色の雨から庇ったおかげで、昼ドラのような複雑な愛憎劇を見せられることになる。 多くの人々の人生を狂わせただけに、コイツは『ドラクエ』屈指のとんでもない非道なモンスターだったといえるだろう。 『ドラクエ』シリーズに登場する非道なモンスターたち。コイツらのせいで悲惨な目に遭った人のことを考えると、なんとしてでも成敗しなくてはならない!と、戦闘に燃えたものだった。 野放しにしていたら、もっと犠牲者が増えていたことだろう。イベントで感情が入ってしまうのも『ドラクエ』ならではの楽しみ方なのかもしれない。
ジャッキー