「褒めるつもりで貶している」「偏見を一般化」「自己開示が過ぎる」…やりがち失言で信頼を失う前に
静岡県の川勝平太知事が、県の職員に向けたスピーチで失言し、辞任を表明したことが話題になっています。 知事の失言に対する批判や感想については、すでにたくさんの意見をネット上で見ることができますので、この記事では、過去の政治家のうっかり失言からパターンを学び、普段の生活で失敗しないためにどうすればいいかを中心に解説したいと思います。
◆川勝知事の失言は「比較話法」タイプの失言?
川勝知事は、「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかとは違い、基本的に皆さんは頭脳、知性の高い方」と県の職員と一次産業の人を比較した発言をしています。皆さんの周りにも、このように一方を落として、一方を上げるような話し方が癖になっている人はいるでしょうか。 川勝知事は過去にも、磐田市拠点のサッカーチーム表敬訪問で「磐田は文化が高い。浜松より元々高かった」という比較をして物議を醸していました。またサッカー強豪校では「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と、サッカーと勉強を比較して問題になりました。 このような失言をここでは「比較による失言」と分類することにしましょう。目の前にいる人たちへのリップサービスのつもりで、つい比較による失言をしてしまう人は意外と多いようです。このように、失言のタイプが分かれば「褒めるときに比較をするのはやめよう」など、対策もしやすくなります。 この他に、失言にはどのようなタイプがあるのか。政治家の失言例を整理しながら見ていきましょう。
◆政治家に学ぶ「失言のタイプ」
過去に注目された政治家の失言を整理してみました。
▼「女性は子供を産む機械」
2007年、当時の厚生労働相の発言。女性に対する固定観念や偏見を根拠にした「性別への偏見による失言」と分類。
▼「金がねえなら結婚しない方がいい」
2009年、当時の総理大臣の発言。経済的な状況のみを基準に生活の判断をするという「偏った判断基準による失言」と分類。
▼「天罰」
2011年の東日本大震災後、当時の東京都知事の発言。災害を「天罰」と表現し、被災者に責任の所在があるかのように感じさせた。「不適切な比喩による失言」と分類。