元日、石川県珠洲市で再会「避難所生活が最高だった!」と語る八木さんの決意 〝道半ば〟の復興嘆くより…前向きな人の後押しを
【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 【写真】火災や津波で海底露出も。石川県珠洲市の港湾付近の航空写真 私にとって2025年のスタートは能登半島の東端、石川県珠洲市でした。能登半島地震から1年、担当するニッポン放送の番組「OK! Cozy up!」(平日朝6時~)で現地の様子を取材し、現地から元日生放送を行うためです。 大みそかの生放送が終わってから北陸新幹線に飛び乗り、金沢市からレンタカーで珠洲入りしました。のと里山海道から珠洲道路を通って、金沢からは2時間弱。1年前は里山海道が途中で通行止めでした。海沿いの国道249号に迂回(うかい)して7時間かかりましたから、違いは瞭然です。交通インフラは立ち直りつつあることが分かります。 昨年の拙欄を見返すと、発災5日後に現地入りしました。珠洲市役所近くの飯田町中央商店街で出会った「いろは書店」の八木淳成さんが、全壊した店舗兼自宅の前で、「希望しかない!」と話したことに衝撃を受けたことを書いています。 1年がたち、今、八木さんは何を思うのか? 昨年3月に車庫を改装したという「いろは書店」の仮店舗を訪ねると、変わらぬ屈託のない笑顔で迎えてくれました。 八木さんは「これ、どこのメディアに言ってもカットされちゃうんだけど…」と切り出しながら、「避難所生活が最高だった!」と言います。生活が窮屈なのでは? と思う避難所生活ですが、寝食を共にしたメンバーと膝詰めで話ができたことで、さまざまな刺激を受けたそうです。 おのおの自宅に戻ったり、仮設住宅に入るなど生活は変化しましたが、この間3度、避難所同窓会を開いたとのこと。「あの人が店を再開させた」「よし俺も」と、お互い刺激し合う仲だそう。 八木さんも今年、公費解体で更地となった元の場所に店舗を再建し、仮店舗は劇場に再改装する計画です。 この中央商店街を見渡すと、公費解体がすでに済んだ更地と、解体を待つ半壊や全壊の家屋が点在していて、見た目には殺風景にも映ります。これを見て「復興は道半ば」、あるいは「復興はまだまだ進んでいません」と結論付けるのは容易です。印象的な写真・映像で説得力がありますからね。 しかし、水面下ではそれぞれの土地に生業を再建させようとする動きがあるのです。