ロシア、核使用基準を緩和 通常兵器への反撃でも可能に ウクライナや米国威圧
ロシアのプーチン大統領は19日、核兵器の使用指針を定める国家文書「核抑止力分野における国家政策の基礎」を改訂する大統領令に署名した。改訂版の文書は、ドローン(無人機)や巡航ミサイルなど多数の通常兵器がロシアや同盟国ベラルーシに対して発射された場合、ロシアは核兵器で反撃できると規定。核保有国に支援された非核保有国がロシアを侵略した場合、ロシアに対する共同攻撃とみなすとも新たに定めた。 【写真】ロシア軍の超音速戦略爆撃機「ツポレフ22M3」 ロシアは核兵器の使用条件を緩和した形。文書の改訂は2020年以来となった。米国がウクライナに供与した長射程兵器による露国内攻撃を容認したとされる中、ロシアは核兵器で反撃する可能性を示唆し、ウクライナや米国に露領内攻撃を思いとどまらせる思惑だとみられる。 文書の改訂はプーチン氏が9月の国家安全保障会議で提案していた。(小野田雄一)