福島県の前石川町長に有罪判決 町発注工事巡る官製談合事件
福島県の石川町発注公共工事を巡り、入札情報を業者に漏らして謝礼を受け取ったなどとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害、収賄の罪に問われた前石川町長の塩田金次郎被告(77)の判決公判は18日、地裁郡山支部で開かれた。下山洋司裁判長は懲役2年6月、執行猶予5年、受け取った賄賂に相当する追徴金約42万円(求刑懲役2年6月、追徴金約42万円)の判決を言い渡した。 塩田被告は初公判で起訴内容を認めていた。下山裁判長は判決理由で「町長の立場を利用して特定業者の便宜を図り、私欲を満たした」などと非難。一方で、今後は公務に関わらないと誓約するなど反省の態度を示しているとして執行猶予付き判決とした。 判決によると、塩田被告は2019(令和元)年6月27日から2023年2月27日までの間に町が行った公共工事の入札で、町内の土木会社の元役員と元社員に秘密事項の設計金額を教えた謝礼などと知りながら、9回にわたり計約42万円相当の缶ビールなどを受け取った。また町発注の道路工事と認定こども園用地造成工事の設計金額を漏らし、入札の公正を害した。