2つの小さな綻び……広島に大敗の阪神は迷走しているのか?
元阪神の評論家、池田親興氏は「阪神は迷走している」という。 「マルテもまだ2軍。新人2人を1、2番に使わざるをえない状況だったのだから、まずは、投手力を前面に出す守り勝つ野球を目指すべきである。守備力を固め、ブルペンはファームの戦力も含めてフル回転させ、総力戦で戦うしかない。なのにエラーがこれだけ出ていれば話にならない。昨年も最多だったが、なぜエラーが出るのか。今日の中谷のエラーもそう。コロコロと守備布陣が変わりすぎることも原因だと思う。センターラインが固まらないのが、昨年の最下位の阪神だったが、今年も同じことを繰り返すのか。まだ、たった8試合なのだ。もっと我慢の起用をして、ある程度、守りを固めておくべきじゃないだろうか」 池田氏の意見は、逆に守備布陣をコロコロ変えるのではなく逆に固定してみればどうか、というもの。 得点力に期待薄なのだから標榜すべきは守り勝つ野球である。つまりミスを撲滅して失点を防ぐことに全力を注ぐ野球だ。昨年の失策数は「89」は両リーグワーストだった。金本前監督は、広島を手本に「打ち勝つ野球」を目指し守備には目をつぶった。では、今季はどうなのだろう。我慢するのか、相手投手、左右の相性、或いは、調子を見ながら、常に変化をさせながら1年を乗り切るのか。すべてが中途半端だから“小さな綻び”が広がっていく。 この日、広島は鈴木誠也が2本塁打5打点と爆発したが、阪神にとって気になるのは“丸ロス”の影響で苦しんでいたはずの5番打者の松山を目覚めさせてしまったことにある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)