「日本はハイブランドが格安」転売目的で中国人が高級ブランドショップに殺到中
「超円安」直下のGWである。コロナ禍が明けて、GWは海外旅行に行こうと思っていたのに、これではねえと、「寝正月」ならぬ「寝GW」を決め込んでいる方も多いのではないか。 【写真】日本と中国、ブランド品バックの価格差(価格は人民元。中国のネット記事を元に編集部で作成) そんな方に、一服の清涼剤になればと、本日(4月30日)、新著『進撃の「ガチ中華」』(講談社刊)を出しました。東京都内の「ガチンコ中華」と呼ばれる「中国人シェフが本物の味を出す名店」を、16店舗紹介した「快食エッセイ」です。 いまの中国政府には苦言を呈する方は多くても、中華料理が嫌いという人はいない。少しエキゾチックな「快食エッセイ」をお楽しみいただけたら幸甚です。 ■ 中国人が「円安」報道に大関心のワケ さて、中国も日本と同様、「五一労働節」と呼ばれるGWを迎えている。5月1日から5日まで、5連休だ。 中国では連日、日本のあるニュースが中国を賑わしている。それは、冒頭述べた「超円安」だ。4月27日、新華社通信は「アメリカドルに対する日本円の円安が加速 1ドル158円を突破」という記事を出した。 <日本銀行の政策委員会は26日、現行の通貨政策を維持するという決定を下した。すなわち政策金利の目標を、0%~0.1%の間で維持するということだ。これによってアメリカドルに対する円安が進み、北京時間の27日午前6時(日本時間7時)には、ついに158円を突破した。これは1990年6月以来の水準である。日本は来週、GWの連休に入り、輸出企業などは日本円の購買を停止する。それによって日本円はさらに安くなるとの懸念が、市場に蔓延している……> このように中国で毎日、まるで「わが事」のように「円安ニュース」が飛び交っているのだ。
一体なぜ? ある東京在住の中国人にこの話をすると、破顔一笑して答えた。 「都内のLV(ルイ・ヴィトン)のお店に行ってごらんよ。その理由が分かるから」 ■ ルイ・ヴィトンに中国人の大行列 そこで週末の夕刻、都内のルイ・ヴィトンの専門店に足を運んでみた。そこは入口に行列ができていて、列に並んでいる人たちの声からして、ほぼ全員が中国人だった。 約15分待たされて、ようやく中へ入る順番が回ってきた。「今日は何をお求めですか?」と男性店員に聞かれたので、「中国人客が一番購入するのは何ですか?」と逆質問してみた。すると、「それは女性用バッグです」と言われて、そのコーナーへ通された。 「中国のお客様にいま一番人気なのは、こちらのバッグ『カプシーヌ』でございます。価格は税込みで、95万1500円です。色は、グリーン、ブルー、オレンジですが、中国のお客様が一番好まれるのはグリーンです」 私が、目の玉が飛び出そうな顔をしていると、男性店員が、微笑みながら私の耳元で囁いた。 「左手をご覧下さい。お隣の中国のお客様も、たったいまグリーンの『カプシーヌ』をお求めになられましたよ」 たしかに隣の中国人女性が、喜々として支払いをしていた。会話を聞くと、担当の女性店員も中国人だった。