20年後、確実に勝ち越せる投資スタイルは「肉食派」か?「草食派」か?
2018年初来、2万4000円に迫る日経平均株価の勢いは、今度こそ好景気は本物だと感じさせます。これを機に投資に挑戦してみようという人もいるのではないでしょうか? さまざまな投資があり、とくに初心者にとっては何から始めたらいいかわからないのではないかと思います。そこで、難しくもなく、忙しい人にでも、20年後に最大の成果を上げられる投資方法について考えてみたいと思います。(解説:セゾン投信株式会社 代表取締役 中野晴啓)
株式の短期売買などの「肉食派」投資で成功するには、経験と莫大な時間と努力が必要
昨年末に大手メディアが主催する投資イベントがあり、筆者は「草食投資派VS肉食投資派」というコーナーで草食投資家代表として登壇しました。肉食投資家代表の人気女性FPのYさんとバトル風に対談しました。Yさんは国内株の個別銘柄をスウィングトレード中心に売買している個人投資家として有名な方です。トークの中でも2018年に有望とされる注目銘柄にも数多く言及されており、聴衆は聞き逃すまいと熱心にメモをとっていました。 筆者は一般の生活者が個別株式を対象に投資をすることに否定的です。一般生活者にとって、偶然性に依拠した勝ち目の薄い投機的行動になりかねないからです。 Yさんは、銘柄発掘から短期的値動き、相場動向まで全精力を傾け、この勝負に対して莫大な時間をかけ研究に励んでいます。それはご本人も明言されており、だから勝てる自信を持って行えるとコメントされていました。そうした誰にも負けない努力を積み重ね、実際に様々な場面を経験して、時には苦汁を舐める体験もした結果、自分独自の投資スタイルを確立し、トレードのリズムとルールを持続的にきっちりと守り行動されています。これを本職として確立されている、おそらく数少ない、勝ち越しを続けている個人トレーダーのひとりでありましょう。株式の短期売買におけるリターンの源泉は専らボラティリティ(値動き)です。そして日々の相場の値動きはゼロサム、つまり自分の利益は他者の損失に立脚したものであり、逆もまた真なりです。人並みでぼんやりしていたら、瞬く間に利益をかすめ取られてしまうでしょう。日々の相場で勝負している人たちはプロも個人投資家も同様で、経験に裏打ちされた勘と研ぎ澄まされた反射神経こそが勝つために不可欠な能力です。 この世界でメシが食べられている人は、皆さん一様に判断を誤ったときのカットルールも厳しく守っています。何より多大なる時間と情報収集へのエネルギーを費やしているに違いなく、しっかり勝ち越す人はその本気度が違うのです。然るに大半の一般生活者にとっては、Yさんはじめ成果を出し続けている本気筋と同じだけの行動を実践することは、極めて困難でありましょう。当たり前のことですが、大半の人はまったく別次元の産業界で仕事に携わっていて、各々の分野で厳しい競争に打ち勝つべく努力を重ねています。そこでプロフェッショナルとして精進している傍ら、本気筋の個人トレーダーと同レベルの労力を費やし知見を持つことは不可能に近いでしょう。