パリで輝くシャネルやバレンシアガの伝統─ヨーロッパ文化遺産の日
フランスには音楽祭、ニュイ・ブロンシュ(白夜祭)、芸術の夜など数多くの文化イベントがありますが、私が一番楽しみにしているのは「ヨーロッパ文化遺産の日」です。この日は、普段は一般公開されていない歴史的建造物を無料で見学できます。毎年人気の場所には長蛇の列ができるほどなのですが、今年は私たちのお気に入り、週末の遊び場のLe19Mと、ケリング本社で開催されるイベントに行ってきました。 Le19Mはシャネルを支える様々な工房が集まる施設で、そこにある老舗刺繍工房「ルサージュ」のアトリエが一般公開されると聞いて、子供たちを連れて見学に行きました。いつも、併設されているギャラリーで展示を見たり、刺繍のワークショップに参加したりしていましたが、ルサージュのアトリエを見学するのは初めて。 今回は、刺繍のデザインから生地への写し方、二種類の刺繍技術の工程を丁寧に教えてもらえました。職人さんたちの繊細な手さばきに、私も刺繍の世界に入りたくなってしまいました。 ルサージュはシャネルのツイードも手がけているので、特殊な織り機を使った生地づくりの実演も見せてもらえましたよ! 帰りに入り口付近にあるカフェでお昼を食べて、本当に充実した見学ができて大満足! ギャラリーではルサージュの展示もありましたが、午後はバンド・デシネの祭典に行く予定があったので次回に。 翌日には、毎年大人気のケリングの本社がある旧ラエンネック病院にも足を運びました。 礼拝堂では、ピノーコレクションの展示と、クリストバル・バレンシアガのアーカイブ、そしてデムナの「襟、袖、装飾、黒、サイズ、シルエット」の6つの要素を軸に対話をテーマにした展示を観てきました。それぞれの要素を切り取るような展示方法も面白かったです! クラシカルながら機能的なバレンシアガのデザイン、そしてデムナならではのユニークな作品に圧倒され、6歳の息子も気に入った作品をカメラでパシパシとたくさん撮影していました! このような素敵な展示を、わずか2日間ですが無料で鑑賞できるなんて、本当に贅沢です! 美術館に行けば入場料を払わなければならないはずの作品を、このイベントでは無料で楽しめるなんて。フランスの歴史的建造物公開イベントは本当に太っ腹だと思います! 今回はファッションに関わる2つの場所を巡れてほんとに楽しかった! 来年はもっと違った趣向の場所にも足を運んでみたいと思ってます。でもきっと、また今回と同じ場所にも行きたくなるに違いありません。何度行っても飽きることがないのが、この素晴らしいイベントの魅力だと思います。
プチルー