手動式腕力ポンプ、半世紀ぶり復活 富山県上市町・稗田神社で保管、放水可能 関係者驚き
明治から大正にかけて導入されたとみられる手動式の「腕力ポンプ」が、富山県上市町稗田でお披露目された。1970年代半ばの防災行事で放水されて以降、使用されることはなく、長い間、地元にある稗田神社で保管されていた。お披露目会では放水も行われ、消防関係者や住民が半世紀ぶりの“復活”を祝った。 上市町の稗田町内会によると、「腕力ポンプ」は1911(明治44)年に設立された音杉村稗田私設消防組が購入した記録が残っているという。長さ約3メートル、幅約1メートル。1976年に動力ポンプが導入されるまで使われたとされる。 今回、長く保管されていたポンプを披露するとともに、放水できるか確かめることになった。お披露目会には上市消防署や町内会などから約20人が参加。稗田私設消防隊のメンバーらが試験放水を担当し、手動で動かして水を放つと、驚きの声が上がった。 1970年代の防災行事に参加した中山孝志さん(82)は「昔は大勢でポンプを動かした。水の勢いは当時、もっと強かったと思う」と懐かしんだ。