家計が厳しく、子どもが「高卒で働く」と言っています。将来を考えると、奨学金を借りてでも「大学」に行かせるべきですか? 長い目で見ると給料が多くなるのでしょうか?
昔から大学進学したほうが給料は多くなるといわれていますが、一方で高卒から働き始めたほうが勤務年数が長くなるので給料が多くなるのではと思う人もいるかもしれません。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 以前は、大学進学者は本当に勉強に興味を持っている人が大半を占めているイメージでしたが、現在では取りあえず大学進学する人も増えました。子どもが高卒で働くといった際には、奨学金を借りてでも大学進学したほうがいいか悩む人も少なくないでしょう。 本記事では、高卒と大卒で給料がどれくらい違うかについて解説するので、気になる人は参考にしてください。
基本的には大卒で働いた方が高卒よりも給料が多い
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、大卒で働いた方が高卒よりも給料が多く、中長期的にみても大学進学したほうが各年代でもらえる給料は多くなっています。大卒と高卒の給料の違いは、男性・女性・全体それぞれ差があり、親の立場からすると大学進学してほしいと感じるかもしれません。 大卒と高卒の各年代でもらえる平均給与は、図表1を参考にしてください。 図表1
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況 を基に作成 各年代を比較しても大卒の方が給料は高く、親からすると奨学金を借りてでも進学してほしいと感じる人が多いかもしれません。なお、大学進学には学費などが数百万円かかりますが、各年代の平均給与の違いから考えるとそれ以上に稼げる可能性があります。また、男女別に平均給与を見ても大卒の方が高くなっています。
大学進学時に奨学金を使う方法も視野に入れる
進学費用を用意するのが厳しい場合は、大学進学時に奨学金を使う方法も視野に入れて考えてみましょう。一定の条件を満たしていると返済不要の奨学金が利用できる可能性もあります。 奨学金の利用条件としては、「世帯収入」や「兄弟姉妹人数」なども関係するため、子どもの状況に合わせて確認してみてください。また、奨学金といえば日本学生支援機構がイメージされるかもしれませんが、実際にはほかにもさまざまな奨学金が存在しているので調べてみましょう。 返済が必要な奨学金でも、金利は一般的な教育ローンなどと比較しても低いことに加えて、返済期間は数十年と長期間で返済が進められます。借りられる金額についても細かく決定できるため、本当に必要になる金額を借りるなどの資金計画が重要です。奨学金はあくまでも借金なので、将来的には返済をしなければならない点には注意しましょう。 最近では人材確保を目的として「企業の奨学金返還支援制度」を導入するところも増えており、就活時などに意識すると返済負担などを軽減できる方法もあります。
まとめ
高校卒業が近づくと就職するか進学するかについて決める必要があります。子どもには大学進学してほしいと考える親は少なくありません。進学費用を出すのが難しいなら、奨学金利用なども視野に入れて考えましょう。子どもとしっかりと話し合いをして、子どもの考えを聞くことも大切です。 出典 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部