【武蔵野S・生情報】楽しみな理由はデキの良さだけでなくコース適性 東京ダート千六の〝鬼〟候補は?
[GⅢ武蔵野S=2024年11月9日(土曜)東京競馬場、ダート1600メートル] サンライズノヴァはこのGⅢ武蔵野Sに4回出走し、4歳時(2018年)と6歳時(20年)に優勝。3歳時のGⅢユニコーンSも含めて、東京ダート1600メートルでは計5勝をマークと〝庭〟にしていた。ノンコノユメもタイプは同様で、3歳時(15年)にユニコーンSと武蔵野Sで優勝。6歳時(18年)はGⅠフェブラリーSを制し、当コース5勝目をマークした。この両雄以外にも7頭の武蔵野S勝ち馬(00年以降)が東京ダート1600メートルで複数回の勝利を記録。ダートのマイル戦はJRA全10場では東京にしか存在しないという〝意外なレア設定〟ゆえに巧者に注意を払って損のないレースだ。その観点からもマークを強めたい〝鬼候補〟がペイシャエス(牡5・小西)となる。 決戦前日となる8日朝は、馬場開門の午前7時に美浦トレセンの南馬場へ登場。角馬場でダクを踏んで体をほぐしてからウッドコースに移動し、サッと軽めのキャンターで流した。 「涼しくなったことで、随分と元気が出てきましたね。けさも元気が良すぎて、危うく振り落とされるところでしたよ(笑い)。ここまで順調に来ているので、あとは競馬が来るのが楽しみです」と担当の吉開助手。GⅢエルムS(1着)以来、3か月ぶりの実戦だが、仕上がりの良さに胸を張った。ただし、同助手の自信を深めている要素は状態面だけではない。 東京ダート1600メートルは、2~3歳時に4走して2勝(新馬、GⅢユニコーンS)をマーク。しかし、JpnⅠジャパンダートダービー(大井2000メートル)で2着に好走すると、中~長距離が主体の地方交流重賞に軸足を置くことになった。実際に3歳暮れには名古屋2100メートルが舞台のGⅡ名古屋ブランプリで2つ目のタイトルを手にしたが…。大舞台での飛躍が期待された4歳時は、まさかの勝ち星なし。そこで心機一転を図り、1年ぶりに1800メートル未満の距離が選択された前走(札幌1700メートル)で復活Vを遂げた。 「長いところでも走れないことはないですが、ベストの条件は1600~1800メートルとみているんですよ」と吉開助手は〝原点回帰〟こそ復活のカギと認識している。22年のユニコーンSは2着セキフウ、4着ヴァルツァーシャル、6着リメイクが後にダート重賞を制する好メンバー。そこで先頭ゴールインを決めたのは、もちろん高い適性があったからに他ならない。「この秋はここに全力投球。現時点でチャンピオンズCという話は出ていなんですよ。年明けのフェブラリーSに進むためにも、ここは勝ってしっかりと賞金を加算したいですね」と吉開助手。まずは東京ダート1600メートル3勝目をマークし、前述の馬たちと同じく〝東京ダートマイルの鬼〟を襲名する。
東スポ競馬編集部