被災家屋倒壊恐れ 氷見、県道一部通行止め
●栄町―間島交差点 市、10日に解体協議 能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市中心部で9日、被災家屋が路面に倒壊する危険性があるとして、県道薮田下田子線の栄町交差点―間島交差点間の約200メートルが通行止めとなった。氷見市などは10日、周囲の安全を確保するため、緊急解体を実施するかどうか協議する。 【写真】通行止めとなった県道栄町交差点 氷見市の担当者が9日にパトロールしたところ、同市栄町の県道沿いで家屋2軒の傾きが大きくなっていたため、県道を管理する富山県高岡土木センター氷見土木事務所に連絡。事務所は緊急で午後6時から当面の間、通行止めとした。 現場では北陸電力送配電の担当者が駆けつけ、高所作業車で被災家屋につないだ電線の撤去を急いだ。木造2階建ての家屋は液状化被害を受けてひしゃげ、支え合うように寄り掛かった状態となっており、日がたつにつれ傾きがひどくなっていたという。 被災家屋の所有者は公費解体の申請を出しており、市が10日にコンサルタントや解体業者などと解体時期を早めて緊急解体を実施するかどうか協議する。 現場周辺では付近住民らが不安そうな表情で見守り、近くに住む男性は「早く解体しないと、何か起きてからでは遅い」と話した。 氷見市によると、公費解体の対象となる半壊以上や、大被害と判定された建物は1日時点で1052件で、うち公費解体の申請は8日現在で373件となっている。 市は3月末から倒壊の恐れがあるなど市民生活に影響のある6棟を優先して解体し、現在は北大町の被災家屋4軒の解体を進めている。市は公費解体の申請期限を来年3月末まで延長し、市内の公費解体は計855軒を見込む。