ゴールドマン、プライベートクレジット成長見込む-調達目標9兆円に
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループは、クレジット市場における需要の高まりを予測し、オルタナティブ投資の資金調達目標を20%引き上げた。
同社は15日に7-9月(第3四半期)決算を発表した後、600億ドル(約8兆9000億円)余りの調達を見込んでいると明らかにした。ゴールドマンはプライベートクレジットブームを最大限に活用できる企業の一つだとし、新規案件を独力で市場から見つける能力があると説明した。
3兆1000億ドル規模の運用事業を統括するマーク・ナックマン氏はインタビューで「調達資金の多くは幅広いクレジット分野に投入されている」とし「当社の強みを生かしている」と語った。
ナックマン氏によれば、新規案件の発掘において投資銀行業務におけるゴールドマンの地位が重要な役割を果たしている。「これが当社の立ち位置を特別なものにしている」と同氏は述べ、機会創出のために合弁事業を探す必要がないと付け加えた。
シティグループは今後5年で250億ドルのプライベートクレジット融資を目指しアポロ・グローバル・マネジメントと協力することで合意している。より多くの案件の協議に参加し、クレジット投資におけるアポロの強みを活用するためだ。他の銀行も、活況を呈するプライベートクレジット市場に参入するため、同様の方法を模索している。案件を見つけるための手数料を支払うことでビジネスを完全にノンバンクに引き渡すのを避ける作戦だ。
ゴールドマンは、逼迫(ひっぱく)した資金調達環境への懸念を払拭(ふっしょく)することができる。資金はより大きな影響力を持つプラットフォームへと集まるからだ。「資金調達は引き続き上位5社または10社に集中している」とナックマン氏は述べた。
ゴールドマンではプライベートクレジットが重要な焦点となっている。 ナックマン氏は、その分野内でもゴールドマンが成長を促進できる分野があると考えている。「当社は資産担保融資事業を拡大している。 そこに重点を置いて投資を行っている」とナックマン氏は述べた。