熱中症対策で見直される水道水 「東京水」の静かなる革命
半数以上が「ミネラルウォーターと遜色ない」
今年6月6日~28日まで東京都の新宿駅や味の素スタジアムなどで実施された“東京水飲み比べキャンペーン”では、58.2%の人たちがミネラルウォーターと遜色がないと回答。水道水に対する都民のイメージも変わっているのです。 さらに、東京の水道水はペットボトルでも販売されています。ペットボトルで販売することで、東京都民以外にも美味しい水道を実感してもらえるようになりました。ただ、ペットボトル販売をしているのは東京都だけではありません。横浜市や大阪市でも水道水を販売しています。特に大阪市の“ほんまや”は、モンドセレクションで金賞を受賞し、大々的にPRしています。東京水はあまり販売に力を入れていませんが、なぜでしょう? 「自治体の考え方の違いになりますが、東京都はペットボトルの“東京水”をたくさん販売していこうと考えていません。あくまでも、都民に東京の水道が本当は美味しいということを実感してもらい、家庭で水道水を使ってもらうことが第一なのです」(同局) 日本では、長らく「水はタダ」という常識がありました。厳密には、水道水はタダではありませんが、市販のミネラルウォーターに比べれば格安です。また、水道は全国に普及しているので、誰でも手軽に水分補給ができる手段でもあります。スポーツドリンクやジュースは塩分・糖分の過剰摂取になりやすく、お茶やビールは利尿作用があるので熱中症対策には逆効果です。厚生労働省や地方自治体は、熱中症対策に水道水を奨励しています。 熱中症対策にも効果的とされる水道水の革命が、静かに始まっているのです。 (小川裕夫=フリーランスライター)