「世界変える」英語苦手の私が貧困と向き合ったー成長に期待、留学に変化
2020年までの日本人留学生倍増を目指す文科省のトビタテ!留学JAPANキャンペーン。留学機運盛り上げの旗振り役として、2014年から始動した初の官民協働プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」は、従来の語学や学力に偏らない、自ら道を切り開く実体験重視の留学で企業から注目されています。 また、さらに早くから海外に触れさせようと、高校生の留学制度充実に力を入れる地方自治体が出てきました。日本からの留学事情は今、どのようになっているのでしょうか。
「世界にも留学にもほど遠かった」が、今は「世界を変えたい」
8日都内大学で開かれた「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の第3回留学成果報告会。報告会の最後に、審査員が選出した代表9人によるプレゼンテーションが披露されました。 「私は普通に育った、という概念はフィリピンで打ち砕かれた」。 世界のさまざまな分野でリーダーシップを発揮し、活躍、貢献しようとする「多様性人材コース」でフィリピンへ飛び立った東洋大文学部3年大野雛子さんは、現地NGOでインターンを選んだ理由をこのように切り出しました。 大学進学時は、英語などの成績がふるわず、「世界にも留学にもほど遠かった」。ところが初めての海外渡航となったフィリピンのスラムで「貧困」を目の当たりにして、“留学は特別”や“自分は普通”という価値観に変化が起こります。 「ソーシャルビジネスで貧困をなくす」という目標を掲げ、“トビタテ生”に応募。ところが、実際の活動を通して、「ソーシャルビジネスでは貧困は救えない」、その目標は打ちのめされたといいます。そして、気づいたことは「貧困はお金がないことではなく、選択肢がないこと」でした。 そして大野さんは、将来「途上国と先進国、貧困層・富裕層という構造そのものをなくすシステムをつくる人になる」と宣言、現地の経験で「世界を変えたい」大きな夢と自信を手に入れた、という報告に、会場から惜しみない拍手が送られていました。