【住之江ボート(ナイター)SGグランプリ】毒島誠 ついに黄金のヘルメットを戴冠
<22日・住之江ボート・最終日> ■ヒーロー ようやく思いが実を結んだ。グランプリファイナルの1号艇を手にした毒島誠(40)=群馬・92期=が、重圧に負けず押し切り勝ち。圧倒的な人気に応え、有馬記念にも劣らぬ大観衆が詰めかけたスタンドに熱狂の渦を巻き起こした。 【ボートレース獲得賞金ランキング(全体・女子)12月22日22時30分現在】 ただレース内容はヒヤヒヤもの。「緊張でハンドルを切り直してしまった。完全に桐生君に差されていました」と1周1Mの時点では敗戦も覚悟をしたほど。 しかし、そこから立て直せたのは一にも二にもエンジンパワー。「仕上がりはむちゃくちゃ良かった。勝てたのはエンジンのおかげ」と相棒に最敬礼。1stからのスタートだった過去4年間とは違い、今年は悠々と本体を整備できる2ndスタート。エース格の32号機に超抜ボートの76番という最強のセットを手にしたなら、この結果も当然だった。 それだけではない。今年はここに懸ける意気込みも全く違った。「今年は9月あたりから、プロペラはもちろん体作りも、グランプリに照準を絞って準備してきました」。11月以降のGⅠはVこそなかったが3連続優出。過去の反省を踏まえて、心技体の全てのピークを、大一番へと持ってきていた。 今回グランプリを制したことで、グランデ5(クラシック、オールスター、メモリアル、ダービー、グランプリ)のコンプリートに王手がかかった。「あとはオールスターですね。ファンの投票で出場できるSGなので取りたいタイトル。目指していきます」 峰竜太、桐生順平、茅原悠紀と並んで現ボート界の最強クラスと称されながら、毒島だけなかったのがグランプリのタイトル。7度目の挑戦でようやく彼らに肩を並べたことで、今度は頭一つ抜けた存在になるのが次のテーマだ。「これでだいぶ肩の荷が下りました。来年は自然体で臨んで、業界を盛り上げていきたい」。来年のビジョンはもう見えている。ボートレースの歴史にその名をさらに刻むべく、1年後もこの舞台に立つ。(森 大輔)