巨人・門脇誠

【球界ここだけの話】憧れの存在が、今はすぐ近くにいる。巨人・門脇誠内野手（23）は創価大時代、同じ右投げ左打ちの内野手で現在はチームメートとなった吉川尚輝内野手（29）の映像を見あさっていた。 【写真】巨人・坂本がスマホケースに貼っている「笑うアベ」ステッカー。阿部監督が七福神の姿で描かれている 「1年生の時にどうやったらプロに行けるんだろうと思って、YouTubeで尚輝さんの（大学時代、ドラフト時の）特集みたいなものを見ました。大学時代に取ったベストナインとか首位打者の数が書いてあって、このレベルまでいけばドラフト1位でいけるんだなと。（画面を）スクリーンショットで保存して、そこを目指してやっていました」 吉川が中京学院大4年時に初出場で優勝した大学野球選手権のプレー集の映像もチェックし、参考にしていたという。数年後、目標としていた選手と同じユニホームを着て二遊間を組み、リーグ優勝を達成。「夢のようですよね、違和感しかないですよ」と現実をかみしめた。吉川は門脇が自身を目標としていたことを聞くと、「目標にする選手を完全に間違えているって言いましたよ」と照れ隠しではにかんだ。 堅実かつ、時には派手なプレーで鉄壁二遊間を形成した2人。門脇が「ゲッツーとか、多少送球がそれてもアウトにしてくれたりその辺の対応力がすごい。エラーも全然見ていない。球際の強さとか、簡単に見えても横から見ていたら難しい打球だなというのがいっぱいあった」と言えば、吉川も「反応が一番いい。打球に追いつく速さとか守備範囲は広さは他の人よりたけている」と互いの守備をたたえ合った。 門脇は2年目の今季、失策が目立つ時期もあった。助言を求められた吉川は「どれだけ試合に出てボールを処理するかで自信をつけるしかない」と言葉をかけた。ベンチスタートが続くなど、もがく背番号5の姿を見て「いろいろ悩んだりするときはあったと思う。僕もそういうのはあった」と後輩の心中を思いやった。 後半戦から登場曲を変更しようとしていたものの、なかなか曲が決まらなかった門脇。そんなとき、吉川の勧めもあって吉川が使うヒップホップグループ「DOBERMAN　INFINITY」の楽曲から『アンセム』をチョイスした。それを機に、打撃成績も向上。吉川は「俺のおかげですね」とニヤリと笑っていた。（原田優介）