過去に何度もV争い演じる“相性抜群”大会で『66』 池田勇太は顎変異症の手術からの復活へ「今年はリハビリ」
<バンテリン東海クラシック 2日目◇27日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> なんかクセになるこのポーズ【写真】 オフに2年続けて行った顎変異症の手術からの復活を目指す池田勇太が「66」をマークし、トータル5アンダーの12位タイで決勝ラウンドに進んだ。今大会では過去に2位3回、3位3回。優勝こそないものの、相性抜群の大会だけに、週末はさらにスコアを伸ばす姿が見られそうだ。 今季の池田は5月の「ミズノオープン」で初出場。7月の「日本プロ」から本格的にツアーに復帰した。開幕時点では出場資格がなかったが、リランキング18位で後半戦はほとんどのトーナメントに自力での出場が可能となっている。今大会は今季初の3週連続でトーナメント出場。「この時期になっても汗の量が変わらないぐらい暑いし、連戦は結構堪えますね」と苦笑いを浮かべた。 この日は1番から3連続バーディのロケットスタート。1番で1.5メートル、2番で1メートルとショットで絶好のチャンスを作り出すと、3番では4メートルのバーディパットを沈めた。「きょうはスタートがよかったから、スコアだけを見れば良かったですね」。まだ以前のように思い通りのプレーはできていないものの、しっかりスコアを伸ばしてくるあたり、さすがは元賞金王といったところだろう。 復帰後は人生初のバックラインなしのグリップを試すなど、試行錯誤が続いていたが、クラブの調整はほぼ完了。ただ、ドライバーだけがしっくり来ていない。「偶然なんだけど、ヘッドが割れることが続いて、3~4カ月の間に2個割れちゃって…」。思いがけないアクシデントに見舞われたが、最後のピースが埋まれば、完全復活に向けたペースもさらに加速するはずだ。 ツアールーキーだった2008年に2位に入り、初シードを獲得するなど、今大会では何度も優勝争いを演じてきた。「もう昔の話。それに勝てなきゃ意味がないから」。若手時代から優勝にこだわってきた選手。相性抜群のコースだけに、その分、悔しい思い出が数多く刻まれているのだろう。 上位で迎える決勝ラウンドにも本人は至って無欲。「体はよくなったけど、まだまだゴルフのほうは感覚のズレを少しずつ埋めていっているところ。今年はリハビリだから」。完全復活への階段は確実に一歩ずつ上がっていく。(文・田中宏治)