真似しすぎでしょと言われたけど…[本家取り]してヒットしたクルマとイマイチだったクルマ5選
クルマのデザインはさまざまだが、同じカテゴリーのクルマが互いに似てしまうという現象はままある。そんな"本家"に対して模倣といわれたクルマが成功した例はあるのか?果たしてオマージュの結果は? 【画像ギャラリー】真似しすぎでしょと言われたけど…[本家取り]してヒットしたクルマとイマイチだったクルマ5選(21枚) 文/長谷川 敦、写真/ダイハツ、CarsWp.com
■どうしてデザインが似てくるのか?
クルマをデザインするうえで、サイズや乗員人数など多くの制約があり、その制約のなかで各メーカーはクルマの個性を出そうと試行錯誤する。 とはいえ、例えばスポーツカーなどのカテゴリーが同じであれば、どうしてもクルマの基本デザインは近いものになる。 だが、時にはカテゴリーレベルの類似性を超えて既存の車種に外観が似ているクルマが出現することがある。 意図的か、あるいはホントに偶然なのかはともかくとして、そんな"模倣車"が現れ、商業的な成功を収めてしまうケースも皆無ではない。 今回はそうした"激似"のクルマを紹介し、それが成功につながったのかを見ていこう。
■オリジナルを超えるほどの人気を獲得したモデルたち
●後発/マツダ RX-7シリーズ→本家/ポルシェ 924 1978年にマツダがデビューさせたスポーツカーがRX-7。 初代は人気モデルのサバンナシリーズの新型として登場したRX-7だが、その姿が公開されると、多くの人からとあるクルマに似ているという声があがった。 それがポルシェのフロントエンジンモデル・924だった。 伝統的なRR(リアエンジン・リアドライブ)ではなくフロントエンジンレイアウトとリトラクタブルヘッドライトを採用した924は、ポルシェの新たな挑戦でもあった。 そんなポルシェ 924と初代サバンナ RX-7が似ているというのは、両車を見比べたほとんどの人が感じるはず。 そのためRX-7は「プアマンズポルシェ」と揶揄されることもあったが、クルマとしての完成度は高く、それは基本コンセプトを継承した2&3代目でも同様だった。 結果的にRX-7は歴史に残る名車のひとつに数えられるようになり、初期の冷やかな視線を跳ね返すことに成功した。 ●後発/初代トヨタ ウィッシュ→本家/初代ホンダ ストリーム 2003年に販売が開始されたトヨタのウィッシュはロールーフタイプのミニバンだが、実は2000年デビューのホンダ製初代ストリームとまったく同じボディサイズを採用していた。 さすがにグリル回りなどのデザインが違うため、一見ではそこまで似ているとも思えないが、ウィッシュがストリームによって確立されたロールーフミニバンのコンセプトを踏襲しているのは明らかだった。 ホイールベースはウィッシュのほうが長く、これによって実用性が高まり、トヨタの販売力もあってウィッシュはストリームを上回る販売成績を記録した。 当時はストリームVSウィッシュの戦争ともいわれたこのロールーフミニバン対決は、後発のウィッシュに軍配が上がっている。