プロ注目の磐田東の145キロ右腕・寺田光が松坂&ダル参考に進化「甲子園出たい」/静岡
<夏に煌めく> Cシードの磐田東はプロ注目右腕の寺田光投手(3年)が、同校を初の甲子園へと導く好投を誓う。185センチ、101キロの恵まれた体格から投じる最速145キロの直球に、制球力、冷静なマウンドさばきも光る。初戦敗退した昨夏の雪辱も期すエースが、進化した姿で高校最後の夏に挑む。 【組み合わせ表】静岡大会組み合わせ ◇ ◇ ◇ 磐田東の寺田が、エースの自覚と責任を持ってマウンドに上がる。2年夏から背番号「1」を託されてきた右腕。今夏が聖地へのラストチャンスだ。「甲子園に出たい。そのために、自分が最少失点で抑えたい」。大舞台を懸けた戦いを見据え、決意を口にした。 昨夏は磐田農との初戦(2回戦)に先発し、7回を5安打無失点に抑えた。しかし、降板後にチームは3点を失い、1-3で逆転負け。まさかの初戦敗退で大会を去った。「『自分が最後まで投げます』と言えなかったことを後悔している」。夏に味わった悔しさは、夏で晴らす。 今年1月、都市対抗で過去3度の優勝を誇る社会人の名門ヤマハ(浜松)の練習を見学した。「投手陣のレベルが全然違った。球威も質もすごかった。今のままではダメだと思った」。プロ入りを目指す寺田の成長欲が刺激された。 春先からフォーム改良に本格的に着手。松坂大輔氏(43)の胸郭の使い方、ダルビッシュ有投手(37=パドレス)の並進運動などを参考に「体全体を使って投げられる」形を模索した。スライダーとカットボールの中間の変化球スラッターも新たに習得。「徐々に良くなっている」と夏本番へ手応えも感じつつある。 小学生時代、全国高校野球選手権を現地で観戦した。当時、作新学院(栃木)のエースだった西武今井達也(26)が、マウンドで躍動する甲子園に心が踊った。「観客が多くて、応援がすごかった。あの舞台で投げられたら気持ち良いと思う」と目を輝かせる。 初戦は13日の2回戦。田方農-静岡市立の勝者と対戦する。寺田は「成長をぶつけて、チームを勝たせる投球がしたい」と短い言葉に力を込めた。3年間の集大成。参加108チームの頂点を目指し、腕を振る。【前田和哉】 ◆寺田光(てらだ・ひかる)2007年(平19)2月28日、磐田市生まれ。小1から新田野球スポーツ少年団で競技を始め、福田中では軟式野球部に所属。右投げ右打ち。家族は両親と兄。185センチ、101キロ。血液型O。