亀山つとむ氏 24日ぶり1軍打席で中前打の佐藤輝 勝利への思いを象徴したヘッスラ
◇交流戦 阪神5-1西武(2024年6月7日 甲子園) 【亀山つとむ 視点】阪神・佐藤輝の打撃の変化は2回の第1打席に表れていた。下手投げの与座の外角直球を中前打。阪神の初回の攻撃はすべて引っ張ってアウトに取られていた。24日ぶりの1軍打席。佐藤輝もバットを振り回したくなるところだが、しっかりと引きつけ打ち返した。チームにとっても攻略の見本となる一打だった。 精神的な変化を示したのは、三塁まで進んだ後だった。木浪の一ゴロで本塁にヘッドスライディング。絶対に1点を取るという思いが表れていた。私も現役時代はヘッドスライディングを売り物にしていたが、気持ちを伝え、雰囲気を変えられるプレーだと意識していた。甲子園の土で黒くなったユニホームが佐藤輝の勝利への思いを象徴していた。 岡田監督が佐藤輝を2軍に行かせたのも、何とかするんだ、という姿勢が見えなかったことが最大の理由だと思う。打てないときもある。守りでミスするときもある。うまくいかないときにどうするか。2軍での学びがヘッドスライディングにつながったのだ。 あとは一線級投手の速い球に対処できるかどうか。力に頼らず、タイミングだけを意識すれば飛距離は出る。真価を問われるのはこれから。打撃も守備も練習を継続し、常にレベルアップに取り組めば、チームに好影響を与える存在になれる。 (スポニチ本紙評論家)