メキシコ、初の女性大統領誕生へ 与党シェインバウム氏優勢
Kylie Madry Valentine Hilaire [メキシコ市 2日] - メキシコで2日にロペスオブラドール大統領の任期満了に伴う大統領選が実施され、投票が締め切られた。現地メディアは与党・国家再生運動(MORENA)のシェインバウム前メキシコ市長の優勢を伝えており、初の女性大統領が誕生する見通しだ。 調査会社パラメトリアの出口調査によると、シェインバウム氏の得票率は56%で、野党候補で同じく女性のガルベス上院議員の30%を大きく上回っている。 他の4つの出口調査でもシェインバウム氏の勝利が予想されている。 MORENAのマリオ・デルガド党首はメキシコ市で支持者を前に、シェインバウム氏が大差をつけて勝利したと語った。また、同時に行われた議会選ではMORENAが単純過半数を獲得するとみられるとも発言。野党の支持なく憲法改正を進められる3分の2の議席には届かないとの見方を示唆した。 暫定結果は今後数時間で徐々に明らかになる見通し。ガルベス氏は敗北を認めず、支持者に公式結果を待つよう伝えた。 シェインバウム氏の勝利は、男性優位主義的な文化で知られるメキシコにとって大きな一歩となる。 国内最小の州トラスカラのシェインバウム氏支持者、エデルミラ・モンティエルさん(87歳)は「女性に投票する日が来るとは想像もしていなかった」と述べた。 MORENAはメキシコ市長選でも同党候補が勝利したと発表したが、野党はこれに異議を唱え、自党の候補が勝利したと主張している。 今回の選挙期間中には候補者が殺害される暴力行為が相次ぎ、民主主義に対する麻薬組織の脅威を巡る懸念が高まった。2日の投票日当日にも中部プエブラ州の投票所周辺で襲撃事件があり2人が死亡した。 新大統領は組織犯罪対策が課題となる。また、メキシコを越えて米国に向かう大量の移民を巡る米国との緊迫した交渉なども待ち構えている。10月1日に就任し、任期は6年。