「はやぶさ2」1回目のリュウグウ着陸は10月下旬 着地点選定は「苦労」
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「Ryugu」(リュウグウ)へのタッチダウン(着陸)候補地点をバックアップ地点含めて3か所選定したと発表した。9月上旬と10月中旬の計2回リハーサルを行い、10月下旬にリュウグウに着陸し、サンプルを採取する。
●タッチダウン
「はやぶさ2」プロジェクトチームのスポークスパーソンでJAXA宇宙科学研究所の研究総主幹の久保田孝氏は、リュウグウ表面は予想以上に岩だらけで巨大な岩や岩塊が一様に存在することから、着地地点を探すのに「大変苦労している」と明かした。 はやぶさ2は、今秋と来年冬と春の計3回、タッチダウンを行う計画で、リュウグウ表面のサンプルを採取する。そのうち1回は、銅の塊をリュウグウ表面に打ち込んで人工クレーターを生成し、表面だけではなく小惑星の地表の下にある物質の採取も試みる。 同プロジェクトチームのミッションマネージャ、津田雄一JAXA宇宙科学研究所准教授によると、着地できるのはリュウグウの赤道を中心としたプラスマイナス200メートルのエリアで、候補地の選定は(1)平均斜度が30度以内、(2)直径100メートルの平坦部分、(3)岩塊の高さが50センチ以下、(4)絶対温度370K(摂氏97)度以下――の4つの条件をもとに行った。 その結果、リュウグウ赤道上の「L08」と呼ばれる100メートル四方のエリアを候補地点に選び、さらに、L08のすぐ隣にある「L07」と、少し南に下がった中緯度の「M04」の2つのエリアをバックアップ地点とした。津田氏は「バックアップは1つの予定だったが、リュウグウが岩だらけということで2つ選んだ」と予想以上に表面が凸凹だった経緯を説明した。
●探査ロボット
探査ロボットを投下して行うリュウグウ地表の観測は、「ミネルバ2」と「マスコット」が担う。これらの着地点候補はタッチダウンを含めてそれぞれの着地と重ならない地点を選定。ミネルバ2は「N6」という北半球のエリア、マスコットは「MA-9」という南半球のエリアになった。