会見を終え引き揚げる高橋藍.。目指すのは初代王者だ＝東京・虎ノ門（撮影・長尾みなみ）

10月開幕のバレーボールの新リーグ「大同生命SVリーグ」の開幕記者会見が30日、東京都内で行われた。10月11日に東京体育館で行われる開幕戦で激突する高橋藍（23）＝サントリー、西田有志（24）＝大阪B＝らパリ五輪に出場した男女日本代表選手が登壇。フジテレビで地上波生放送が行われるなど注目度の高い一戦を前に、2人が意気込みを語った。 新たなリーグの船出を代表戦士が華やかに彩る。男女24チームの先陣を切ってコートに立つサントリーの高橋藍が開幕に向けて抱負を語った。 「開幕戦からSVリーグを盛り上げられるように、いい試合を見せられるようにしたい」 高橋藍は日体大在学中の2021年からイタリアで3シーズンを過ごし、今季から新加入。インスタグラムでは278万人のフォロワーを誇る人気選手だ。国内リーグでプレーするのは初めてで、日本のファンも開幕を待ち望んでいる。 近年、バレーボール人気は高まるばかり。パリ五輪では男子の準々決勝・イタリア戦の平均世帯視聴率（ビデオリサーチ調べ、関東地区）が23・1％と全競技中で最高を記録。1次リーグのアルゼンチン戦も17・9％で3位だった。 新リーグへの期待も高い。開幕戦はフジテレビがゴールデンタイムで地上波生中継。チケットは8万円を超える席もある中、売れ行きは好調だ。 注目度の高さは選手にも伝わっている。「もっとバレーを観に行きたいと思えるような試合をしないといけない責任がある」と高橋藍が言えば、西田も「どうやって（ファンを）とりこにしていくかを考えたい。選手が自覚を持ってやるべき」。バレー人気定着へ、千載一遇のチャンスととらえている。 新リーグは27年シーズンまでの完全なプロ化を目指す。世界最高峰のリーグへの成長を掲げ、高橋藍も「日本はなっていける」と自信を示す。外国人枠はVリーグ時代から1人増え、アジア枠と合わせて最大3人に。国内リーグのレベルが上がれば戦力は底上げされ、日本代表の強化、ひいては五輪でのメダルにもつながる。 2人ともチームの目標は「初代王者」と声をそろえた。その第一歩となる初戦へ高橋藍は「（西田は）サーブが武器なので、そこをしっかりと返して攻撃に展開したい。そこは負けたくない」とイメージすれば、西田も「開幕までによりよいサーブを出せるように準備をしたい」と応戦。パリで共闘した2人が、今度はライバルとして火花を散らす。（山下幸志朗）

■SVリーグ　Vリーグを再編成し、10月からスタートする新リーグ。「SV」の「S」は「Strong（強く）」「Spread（広く）」「Society（社会）」の頭文字に由来する。クラブライセンス制度が導入され、2027年に完全プロ化を目指す。男子は10チーム、女子は14チームでスタート。ホーム＆アウェーで試合を行う。前身のVリーグから外国籍枠が1人増えた2人となり、外国人枠はアジア枠1人を加えた最大3人となる。