NTT、自動運転技術の実証拠点設立
NTTグループは、May Mobilityと共同で進めている自動運転サービス普及に向けた取り組みの一環として、自動運転の実証拠点を立ち上げた。NTT東日本の実証フィールド「NTT eCityLabo」内に設置される。 【この記事に関する別の画像を見る】 NTTグループでは、グループ各社が交通・観光・MaaS関連事業としてさまざまなモビリティ事業を展開している。グループとしての強みである、地域の人々の接点やICT技術、地方創生への取り組みを活かしながら、自動運転支援サービスによって課題解決に取り組むのが狙い。 新たに設置された実証拠点は、自動運転の社会実装に向け、NTTグループ主体で「机上検証と実車検証をセット」で推進できる環境を整備するためのもの。実際に自動運転車両に触れる環境を整備することで、自動運転のノウハウ蓄積や試乗機会の創出、May MobilityとNTTによる技術検証をよりスムーズに進める。 自動運転の実用化に向けて重要な要素として特に「社会受容性の確立」を挙げており、自動運転に対する忌避感を和らげるための取り組みを重視。地域のステークスホルダーとの対話や試乗機会の提供、目的やニーズに合ったサービスの模索などを行なっていく。 ニーズに合わせ、複数の車両を展開することも重視しており、NTTグループとしてはMay Mobilityの乗用車型車両、NTT東日本はティアフォーの路線バス型車両、NTT西日本はNavyaのコミュニティバス型車両を使った検証を行なっている。 事業採算性の確立に向けては、エンジニアリングの高度化・効率化を推進。AI技術の活用や内製化率を上げることで効率化を図る。また、自動運転レベル4を実現することで、遠隔監視の効率化を行ない、監視員の人数を少なくすることで人手不足の解消やコスト削減に繋げる。 ローカル5Gも活用。自動運転車両でキャリア通信とローカル5Gをシームレスに切替える技術を使うことで、キャリア通信が届かないエリアでも遠隔監視カメラの映像などを遅延なく送受信できるようにする。 NTTでは、既にティアフォーの路線バス型車両にローカル5Gを搭載して公道実証を行なっているが、May Mobilityの車両にも新たにローカル5Gを受信できるデバイスを搭載して実証を行なう。 NTTでは、2030年代に自動運転車両の商用化を目指すとしている。
Impress Watch,清宮信志