フリーランスの最新節税スキーム…「タイ移住+外国法人設立」で、まさかの「税額ゼロ円」を実現する方法
物価の安い国に暮し、税金の安い国で報酬を受け取る
理想をいうなら、 (1)物価が安く、日本人向けの施設が多いタイに暮したい (2)しかし報酬は、税金の安い香港やシンガポールで受け取りたい ということになります。 そんな良いとこ取りが可能か、考えてみましょう。 タイには、お金を出せば買える「長期ビザ(タイエリート)」がありますから、このビザを使ってタイに暮せばいいでしょう。
「タイ国外」に法人を作り、その法人で仕事を受注
では、仕事の報酬はどうやって受け取ればいいのでしょうか。 タイ居住者が、個人名義で仕事をして報酬を受けると、タイの個人所得税が課されてしまいますし、そもそも、タイエリートビザでタイに滞在している人は、仕事をして対価を得る仕事を、タイ国内でしてはいけないという制約もあります。 このような制約を回避するには、以下の方法があります。 それは「タイに移住してからは、個人で仕事を受けるのではなく、タイの外の法人(香港法人など)で仕事を受ける」という方法です。 こうすると、香港の法人税(所得200万香港ドル=約4000万円までは8.25%)はかかりますが、「タイに住む個人」として報酬を得ることはないので、タイで個人所得税を納税する必要はないということです。
現実的な選択肢は、やはり「香港法人」
仕事を受注するための法人は、タイ国外で、法人税率の低いところに作るのがいいといえます。真っ先に思い浮かぶのは、「香港」と「シンガポール」でしょう。 税率的には大きく変わらないので、どちらでもいいと思いますが、法人を設立したあとで銀行口座を開設することの難易度を考えると、香港のほうが使い勝手がいいでしょう。
英領バージン諸島(BVI)法人なら、「無税」も実現可能に
さらにいえば、仕事を受注するための法人を、法人税率0%の場所に設立すれば「法人税率0%、個人所得税0%」も、理論上可能になります。 たとえば、タックスヘイブンとして有名な英領バージン諸島(BVI)等に法人を作れば、本当に税金を0%にできます。 ただし、仕事を依頼する側から見て、依頼先が「BVI法人」だと不安になるかもしれません。また、将来日本に戻ったあと、海外に住んでいた時期の所得について、税務署・国税局から聞かれた場合、その時期の所得について「証明する公的書類がまったくない」という状況になるため、税務署・国税局への説明が難しくなりそうです。 この点を考えると、所得に8.25%の法人税はかかるものの、香港法人で仕事を受注するのがベストだと考えられます。 小峰 孝史 OWL Investments マネージング・ディレクター・弁護士
小峰 孝史,OWL Investments