民進党党大会(全文1)一強に対する国民の不安、疑念が大変高まっている
日本労働組合総連合会の神津里季生会長のあいさつ
神津:ご指名をいただきました連合の神津です。本日は民進党の定期大会に〓ご招請 00:17:20〓いただき、そしてご盛会を心よりお祝いを申し上げつつ、〓レンタイ 00:17:28〓のメッセージを申し述べさせていただきたいと思います。 昨年3月、結党大会、それからもうすぐ1年ということであります。その間に世界ではさまざまな出来事がありました。英国のEU離脱、そして米国のトランプ大統領の誕生など、懸念されるのは内向き志向、そして自分たちさえ良ければいいという考え方の横行ではないかと思います。 また、これら世界における昨今の風潮として政敵を自らつくり出し、自身の支持率の維持、向上につなげようと、そういった向きがありますが、それは本来の民主主義のあるべき姿ではないと思います。リーダーの立場にある人間、あるいは為政者が自ら対立や分断をあおるようなことはしてはならないのだと思います。重要なことは1つ1つの課題に対して真摯に議論を尽くすこと、そして議論の結果を受け入れ、議論の当事者を含め、皆が調和し、一丸となって対応していくことであろうと思います。このことがあらためて世界共通の課題となっていると思います。 さて、未曾有の被害をもたらした東日本大震災から昨日で丸6年が経過をしました。いまだにおよそ12万3000人もの方々が避難生活を余儀なくされています。本当の意味での復興の実現が求められていると思います。こうした中で民進党としてエネルギー・環境政策について、この間の事実を踏まえるとともに、いまだ避難生活を余儀なくされている方々にも寄り添いながら、予断を持たずに党内で議論を深めていくことは重要なことだと思います。 一部のマスコミ報道においては、今回の議論をめぐる一連の動きを党内対立、あるいは民進党と連合が対立してる、そんな扱いがありました。しかし、私は真摯に議論を重ね、それぞれに、それぞれの方々が真剣に意見を交わしてきたものであると理解をしております。この課題はわが国の在り方、そして国民の生活に直結するものであります。さらに、福島第一原発の事故は民主党政権の当時に発生をしたものであります。その上に立って大変な苦労の末、まとめ上げられた政策をその後、堅持されて今日に至っていると考えています。野党となった今日においても責任ある対応を引き継がれることが国民の期待とつながるものであると考えるものであります 次に労働組合にとって、一丁目一番地の課題であります雇用・労働政策に関して若干触れておきたいと思います。政府の働き方改革実現会議での議論が大詰めを迎えようとしております。われわれとしては時間外労働の上限時間、これを罰則付きで設定をする、そのこと自体は労基法制定70年の歴史の中で大きな改革であって、これを実現させるとともに確実に実効性のあるものとして前に進める、その第一歩としての努力を重ねておるところであります。 また、実現会議でまとめられる実行計画については、いわば全ての働く者に対するメッセージでもあります。従いまして三六協定の本来の趣旨の徹底や公正取引の担保、そしてなんといっても過労死、過労自殺の一掃に向けた対策など、さまざまな観点を踏まえつつ、政労使での合意形成に努めてまいりたいと考えておるところです。こうした考え方につきまして、民進党の皆さま方にもご理解をいただくとともに、引き続き働く者の処遇改善に向けて連携を密にさせていただきたいと考えております。 そして、年明け早々ともいわれておりました衆議院の解散総選挙、これは見送られたものの、衆議院は常在戦場であります。いついかなる事態にも対応できるよう準備を進められる、そういったことだと思います。現在の状況を踏まえまして、応援団の立場から以下の点について切実な思いで期待を申し述べたいというふうに思います。 それは、まず、個々の政策をそれぞれ磨き上げて、それらをパッケージ化し、目指す社会像、ビジョンや政権構想として早期に国民に分かりやすい形で示していただきたいということであります。こうしたこのビジョン、政権構想は現政権との間でも基本的な立ち位置の違いを明確にするためにも必須であると思います。個々の政策をばらばらに示してもなかなか民意を取り戻す、そういったことにはつながらないのではないのかと思います。民進党として揺らぎなく政治政策のど真ん中でどっしりとした存在感を世にアピールをしていただきたい、このことを申し述べておきたいと思います。 いずれにいたしましても支持率が急上昇するような奇策は私はないと思います。目先の状況だけにとらわれることなく、政権構想を練り上げ、候補者擁立を進めていただき、地道に国民に訴えていただくことで働く者、生活者の不安を解消していくことが求められていると思います。それこそが次期衆議院選挙の勝利につながるものと確信をするものであります。私たちも推薦候補者全員の当選のために全力を尽くしてまいります。蓮舫代表を筆頭に民進党の皆さん方が大きな発展に向かわれることを心より願います。私たちにとっては民進党しかありませんから。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。共に頑張りましょう。ありがとうございました。 【連載】民進党党大会 全文2へ続く