アスター、新ロードマップを発表──暗号資産ASTRのユーティリティ拡大
日本発のブロックチェーンプロジェクト「アスターネットワーク(Astar Network)」は、新たなロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」を発表した。従来のブロックチェーン基盤としての役割から、より広範なWeb3サービスの提供へと展開を広げる。 ソニーグループとアスターネットワークを開発するスターテイル・グループ(Startale Group Pte. Ltd.:旧スターテイル・ラボ)の合弁会社が開発する「ソニューム(Soneium)」との連携も本格的に開始する。 ロードマップは、「相互運用性の促進」「ASTRトークンの拡張」「分散型ガバナンス」の3つの分野で展開される。 相互運用性の促進では、ソニーブロックソリューションラボ(Sony Block Solutions Labs)開発のソニュームとアスターネットワークを完全接続させる。OP Stackを採用したL2ブロックチェーンのネットワークであるスーパーチェーン全体との連携も進めていくという。 暗号資産(仮想通貨)ASTRは、ユーティリティが拡大される。これまでAstar L1のネイティブトークンとして機能してきたASTRは、ソニュームやスーパーチェーンエコシステム全体を支える資産へと進化する。 Astar L1では従来通り、dApp Stakingのためのステーキングトークン、ガバナンス、取引手数料支払いの機能を維持。ソニューム上では、エコシステムの代表的な資産として、DeFiでの取引、コンシューマーアプリでの決済、インフラ整備のためのステーキング、さらには投資準備金としての役割も担う。これにより、ASTRの保有者はソニュームの成長による恩恵を受けることが可能になる。なお、トークンの追加発行は行わないとしている。 分散型ガバナンスでは、運営方法を刷新し、ポルカドットの仕組みを参考にした「Governance v1」と呼ばれる新しい仕組みを導入する。新体制でも、アスター財団(Astar Foundation)が開発の中心的な役割を担い、段階的にコミュニティが主導する運営体制へと移行する。 「Astar Evolution Phase 1.5」では、2025年上半期までのロードマップが掲げられており、「相互運用性の促進」「ASTRトークンの拡張」「分散型ガバナンス」の3つの中心戦略の実行を目指す。同年下半期以降の計画は、コミュニティでの議論を通じて決定されるとしている。 |文:栃山直樹|画像:リリースから
CoinDesk Japan 編集部