【比較インプレ】カワサキ「Z H2 SE」VSトライアンフ「ロケット 3 GT」ツーリング適性をチェック
恐ろしいほどのパワーなのに扱いやすい!
僕のクルマより排気量が大きいエンジンを搭載したロケット3は、どこもかしこもデカい。ボクの体格(身長165cm)からしたら存在がモンスターだよ…と思いきや、座るところが絞り込まれていて思った以上に操作しやすい。さらにホイールベースが長く重心は低いので走行中の安定性が抜群にイイ。 【写真はこちら】「Z H2 SE」と「ロケット 3 GT」の走行シーン トルクがスゴイから回転数を上げなくても余裕で走るし、追い越しはちょっとだけアクセルを開ければ済むし、クルーズコントロールはあるしで長時間走ってもまったく疲れない。意外だったのは着座位置が低いため小さなスクリーンの効果がかなり感じられること。旅バイクとしての充実度は相当高いぞ。唯一、気になったのはステップ位置。ボクの体格だと足が伸び切っちゃうんだよねぇ。 ロケット3から乗り換えるとZ H2が400ccになったよう。ロケット3がデカすぎるからそう感じちゃうんだけど。さらに狂わされた感覚によってZ H2の低~中回転トルクが薄く感じてしまうという事態に。え~っ、と思いながらアクセルを大きく開けると回転の上昇を超える勢いでパワーが絞り出され、一気に速度が上がっていく。ノケゾリそうになる鋭い加速に「スーパーチャージャーすげ~!」となった。 ところが、そのハイパワーは驚くほどコントローラブル。市街地走行を柔軟にこなし、高速道路もスムーズに走る。カウルがないので長時間のハイスピード走行はちょっとキツいけど、ツーリングペースなら問題なし。電子制御のレベルも高く、旅を満喫できる。この2台、方向性はまったく異なるのに優劣つけがたいぞ!
横田和彦