「転職したら仕事の仕方が変わることもあるんだから」 日本で14年間プレーしたブラジル人元Jリーガーが語る、外国人選手の「見極め方」
日本14年間プレーしたパウリーニョさん、第二の人生はJ3松本山雅の強化担当
サッカーJ3の松本山雅に通算5年半在籍し、闘志あふれるプレーでサポーターを沸かせたパウリーニョさん(35)は惜しまれながら昨季限りで現役を引退した。日本では松本山雅以外にもJ2の栃木SCやファジアーノ岡山にも所属し、2010年から通算14年間にわたりプレーした。今季から母国ブラジルを拠点に、松本山雅の強化担当として第二の人生を歩む。 【写真】昨季限りで現役を引退して今季から松本山雅の強化担当を務めるパウリーニョさん
知名度の高い選手を連れてきても…
―ブラジルを拠点に、松本山雅で活躍する選手を発掘する任務に就く。 「日本でプレーした経験があるので、日本人とブラジル人の考え方のどちらも理解していることが自分の長所だと思う。サッカーは、知名度の高い選手を連れてくれば活躍できるという単純なものではない。日本の生活環境、戦術、監督との相性…。そういう要素を考えて『この選手なら日本で活躍できるだろう』と見抜く力は持っている。その力を全面的に生かして、松本山雅のプラスになりたい。(海外の)選手を日本のクラブに売り込む代理人はたくさんいるが、自分がクラブと代理人の間の『フィルター役』になって、日本に順応できる選手かどうかを見極めたい。ただ、メインの仕事は自分自身で足を運んで選手を発掘することだ。ブラジルで試合を視察してプレーを見たり、(獲得候補の)選手と実際に会って話をしたりして松本山雅に順応できる選手をスカウトする」
ピッチ内外での態度から家族構成まで、細部まで知ることが大切
―日本に適応できるブラジル人選手を発掘するのは簡単なことではない。 「2010年に来日して以来、いろいろなことを経験したが、日本の環境になじめなくて帰国した選手など、さまざまなケースを見てきた。試合に出場している時と出場していない時で態度が変わる選手もいる。ピッチ外、ピッチ内、家族構成、これまでの歩みなど、まずは選手の細部まで知ることが大切だ。その面で、自分はブラジル人なので、ブラジル人のことは一番よく分かっている」
―生活拠点はブラジルで、日本に滞在する時もあるのか。 「生活拠点のブラジルにいる期間が長くなると思う。仕事の内容としても(候補に挙げた)選手の細かい部分を見る必要がある。『松本山雅がブラジル人選手を欲しい』となったタイミングで、『これから探しに行きます』では遅い。日本と行ったり来たりにもなると思うので、日本滞在中は(松本山雅で)コーチングをしたり、練習のサポートをしたりすると思う」